総合診療研修に関する広報活動を進めています(続報)

2020年5月26日

プロジェクトでは、2018年10月から開始された総合診療研修の効果や意義を、適切に学生たちに知っていただくため、専門家の協力を得て、広報活動を支援しています(プロジェクトニュース2020年3月27日参照)。その一環として、保健省・保健開発センター、また研修病院のスタッフからなるワーキンググループのメンバーたちとともに、プロの撮影チームの力も借り、本格的に映像資料の制作を始めています(プロジェクトニュース2020年5月15日参照)。今回はその続報です。

5月23日と26日、プロジェクトのモデルサイトであるオルホン県地域診断治療センター(Regional Diagnostic and Treatment Center;RDTC)、チンギルテイ地区病院、および関連する家庭医療センターで、総合診療研修を紹介する映像資料の撮影を行いました。

オルホン県RDTCでは、現在、第二期生の研修医5名が総合診療研修を受けています。今回の撮影では、院長や研修部の責任者へのインタビュー、指導医による臨床指導の様子や研修医たちが学んでいる姿の撮影をしました。それだけでなく、研修医の日常生活を紹介するため、研修医に密着して取材が行われました。さらに第一期の総合診療研修修了生の勤務先であるUilsbadrah家庭医療センターを訪問し、診療風景の撮影や関係者へのインタビューも行われました。チンギルテイ地区病院でも、同様に病院幹部へのインタビューを行い、地域の家庭病院で研修医を指導する指導医や研修医への取材、研修している様子の撮影を行いました。

関係者たちは、事前に用意されていたシナリオに基づいて撮影の準備をしていましたが、実際に撮影が始まると、とても緊張した様子でした。しかし、プロの撮影チームの方たちの助言を受けるうちに、次第に緊張がほぐれ、普段の研修の雰囲気や総合診療研修の魅力が伝わってくるようになりました。

また指導医たちは、モンゴルで初めてとなる総合診療研修を効果的に実施できていることに誇りを持っており、この研修に関わることで、研修医の成長はもちろん、指導医も医師として、また指導者として、成長につながると話していました。

今後は映像資料の編集作業が始まります。総合診療研修の素晴らしさを一人でも多くの医学生や若手医師に知ってもらうことができるよう、プロジェクトができる支援を続けていきたいと思います。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明
業務調整員 大熊 浩
アシスタント C. Oyun-Erdene

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オルホン県RDTCの小児科で、研修医が診療を通じて指導医の指導を受けている様子、およびその撮影風景

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Uilsbadrah家庭医療センターに勤務する、総合診療研修第一期生のインタビュー風景

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チンギルテイ地区の家庭病院で、研修医が超音波検査の指導を受けている様子

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井上チーフアドバイザーも取材を受け、総合診療研修の意義について語りました