4州の担当者に対して森林ゾーニングのための森林マッピング研修を実施しました!

2019年6月11日

森林ゾーニングとは、生産林や保護林などを異なる目的に合わせて誘導し、維持管理のために区分してから管理・保全活動を計画・実施することです。下記のニュースでご紹介したとおり、プロジェクトでは森林ゾーニングに向けた森林マッピングの方法論開発を支援しており、以前、中央レベルの関係者・技術者に対して研修を実施しました。

ペルーの森林ゾーニングでは、保護区マップ、先住民占有林マップ、優先生態系マップなどの基礎図をもとにゾーニングを行いますが、そのなかでも最も重要な基礎図が森林マップ(mapa forestal)です。アマゾン熱帯林の森林マップ作成方法論開発は、他のドナー(ノルウェーとUNDP)が支援していますので、プロジェクトでは海岸地帯のサバンナ性森林のマッピング方法論開発と能力向上を支援しています。

海岸地帯の森林マップは、以前、下記の記事でご紹介した乾燥林マッピングの基礎図を、傾斜や標高、湿地などの地勢や気候、水分環境、利用形態(プランテーション、植林地等)、植生の種類などをもとに森林タイプを細分化したものです。

乾燥林マップは、乾燥林の有無を示した森林・非森林図(mapa de bosque/no bosque)でしたが、この情報だけでは森林ゾーニングには不足です。しかし、乾燥林の森林ゾーニングのための森林マップ作成の技術的な方法論はペルーでは確立されておらず、プロジェクトが支援して北西沿岸地域のLambayeque州をフィールドにした方法論開発を進めて完成しました(我々よりも半年以上早く開始したノルウェー・UNDPのアマゾン熱帯林マッピング方法論開発を追い抜きました!)。

そこで、2019年5月27日~31日の5日間にわたり、類似のサバンナ性森林生態系を有する北西沿岸地域の4州(Lambayeque, Piura,Tumbes, La Libertad)の州政府担当職員や幹部など合計25名を対象に、中央政府のカウンターパート職員とともに森林マップ作成の研修を開催しました。利用するソフトやデータのダウンロードといった基本的な操作から(すべて無償のものです!)、森林マップを作成するまでのデータ解析まで、パソコン実習型で研修し理解を深めていただきました。

今後は、森林ゾーニングを担当する州政府職員らによる森林マッピングの進捗をフォローアップし、森林ゾーニングをモニタリングする手法の検討を進めてゆきます。

研修の様子

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