内科専門研修のカリキュラム改定に関する勉強会を実施しました(続報)

2020年4月16日

4月13日、14日、内科専門研修のカリキュラム改定を目的に、勉強会を実施しました。昨年も同時期に複数回の勉強会とワークショップを開催しましたが、改めてプロジェクトに対し協力が依頼されました(プロジェクトニュース2019年4月12日、5月24日、6月12日参照)。なお昨年の勉強会の後、この勉強会で提供された内容をもとに専門研修におけるカリキュラムの改定指針が作成され、保健省内で承認されています。

今回の勉強会は、ウランバートル市内で内科の専門研修に関係する方達を対象に行いました。従来の内科研修のカリキュラムは10年ほど前に策定されたもので、現状に合わせて改定する必要がありました。当日は、国立の3次病院だけでなく、医科大学や私立病院の先生たち、また保健省の内科専門委員会の先生たちも参加されました。COVID-19感染拡大への対策を講じながら、2日に分けて半日ずつの勉強会を実施しました。

勉強会では、カリキュラム改定の意義についてまず学び、ニーズ調査から始まるカリキュラム開発の各ステップについて解説を行いました。その後、すでにモンゴルで標準カリキュラムとして採用されている総合診療研修のカリキュラムを参照しながら、具体的にどのような形でカリキュラムが作成されたかについて学びました。保健省の担当専門官も参加し、保健省の立場からもカリキュラム改定に対するアドバイスが行われました。

参加者から多くの質問があり、予定していた時間を超過するほどでした。そして今回参加したメンバーを中心に、内科専門研修のカリキュラムを改定しているプロセスが共有されました。プロジェクトに対しても引き続き技術面での支援の要請をいただきました。

プロジェクトが関与して始められた標準研修カリキュラムの開発、その改定のプロセスは、改定指針として文書化され承認を受けました。そしてその指針に基づいて複数の専門研修のカリキュラムが改定されています。プロジェクトで始めた活動が、この国のなかで浸透していき、医師の育成に役立てられていることは、感謝なことです。今後は、できる限り定期的にカリキュラムの評価、評価に基づく改定も実施されるよう、引き続き技術支援をしたいと思います。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明