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【民間連携事業】「途上国と東北企業をつなぐオンラインセミナー」を実施し、タイ・タンザニアの課題とニーズ、東北企業の途上国進出に向けた取組みを紹介しました

2021年2月18日

【画像】JICA東北では、2月12日に、一般社団法人協力隊を育てる会、協力隊を支援するやまがた地球家族の会と連携し、標記セミナーを開催しました。

冒頭挨拶では、共催機関である協力隊を支援するやまがた地球家族の会の酒井会長より、本セミナーについて、当初は地元企業に対するJICA海外協力隊への現職参加と帰国後の採用の促進が目的であったが、2012年からはJICA民間連携事業にテーマを広げ、地元企業へのJICA事業全般の理解促進に向けて、山形県内を4ブロックに分けて、毎年、持ち回りで開催していたことを説明した上で、今回は新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりオンラインによる開催となった説明が行われた。また、一般社団法人協力隊を育てる会の大石事務局長から、やまがた地球家族の会によるJICA海外協力隊の帰国隊員の地元企業への就職支援や山形県内企業によるJICA民間連携事業への理解促進に向けた取組みは、全国でも先進的な独自の取組みであることについての紹介が行われた。

JICA東北からは、JICAの民間連携事業について、本セミナーのテーマとなっている中小企業・SDGsビジネス支援事業概要、PARTNER、無料職業紹介事業についての説明を行った。(各事業の詳細は、下記「関連ファイル」参照)

途上国の課題・ニーズ、活用が期待される製品・技術の紹介では、JICAタイ事務所から、同国のビジネス環境が非常に恵まれていることについて、仏教徒であることから日本人が生活しやすく、コミュニケーションにおいてもアドバンテージがあることの紹介が行われた。一方、格差問題やPM2.5に代表される環境問題などのSDGsに関する課題があり、東北地域の企業との連携を通じた現地の課題解決への貢献が期待されるとの挨拶が行われた上で、同国の開発課題と求められる成製品・技術についての説明が行われた。
また、JICAタンザニア事務所からは、2020年東京オリンピック・パラリンピックの同国のホストタウンとなっている山形県長井市との関係や、JICAの教師海外研修における東北地域の教師の受入れについての紹介が行われた。企業による同国への進出に向けては、現地の商習慣に慣れていて母国語であるスワヒリ語を使った活動経験を有するJICA海外協力隊員の活用や、JICA研修事業を通じて、同国と日本の架け橋となっている研修員の活用についての紹介が行われた。同事務所では、3月初旬に研修生との交流会を開催する。

 東北地域の企業による海外展開の取組みの紹介では、株式会社メタルプロダクツの渡邊社長より、モルドバへの海外展開について、現地法人設立までの経緯や、事業展開をする上で苦労した点や工夫した点等の発表が行われた。また、株式会社ふたばの遠藤社長より、東日本大震災に伴う福島第一原発被災を乗り越えて、震災復興で活躍した技術を途上国の課題解決に活用して海外展開を目指すことについての発表が行われた。
 発表後の質疑応答では、海外展開をすることによる社内への影響について、両社より、異文化や異なる言語に触れることで社員の人間的な成長に繋がっていることや、若い社員が地方にいながら海外と繋がれることで仕事や語学勉強を積極的に取り組み意識改革に繋がっていることなどの紹介が行われた。
 さらに、海外展開することによる技術や人材流出についての質問に対して、両社より、技術の流出については、例え自社の技術が流出したとしてもその上のことが出来る自信があることや、人材の流出については、海外展開をする上では常に隣り合わせの課題であり、これに対しては、腹を割ってコミュニケーションをとり、信頼関係を構築することが重要であること、自社で受け入れている外国人については、将来的な現地進出に向けたパートナーとして活かしたいという考えのもとで信頼関係を構築することなどの説明が行われた。

JICA東北では、今後も、関係支援機関等との連携を通じて今回のようなセミナーや個別面談を通じて東北地域の民間企業の海外展開を支援して参ります。

【本件に関するお問合せ先】
JICA東北 民間連携事業 
E-mail: thicjpp@jica.go.jp
TEL: 022-223-4772 FAX: 022-227-3090