算数の授業 浅野隊員の場合

2019年9月13日

小学校教育隊員のネオこと浅野です。ネオは私のボツワナ名で同僚が付けてくれました。意味は「贈り物」なのだそうです。わたしは東京都内の小学校を休職してボツワナの小学校で活動しています。日本ではすべての教科を教えていましたが、ボツワナの学校では算数を集中的に教えています。なぜ算数なのでしょうか?

たとえば日常生活の中で、買い物などでお金の計算や何かの数量を数える場合があると思います。しかしここボツワナでは、請求する方も支払う方も計算にとても時間がかかる上に計算結果が間違っていたりすることが多いです。
そこで、これから産業の発展を目指していくボツワナでは、計算の基本となる四則計算(加減乗除)がしっかりできる人を子どものうちから育てていきたいという意図があり、私たち小学校教育の青年海外協力隊が求められたのです。
そのため私たちは各小学校で掛け算や割り算の基礎となる九九を暗記させることを最優先課題として取り組んでいます。隊員によってそれぞれアプローチは異なりますので、今日は私の場合を紹介します。

私の配属されている小学校の算数の成績は県の平均以下のため、小学校6年生や7年生に九九を暗記してもらうようにしました。毎日授業時間や休み時間、放課後に子どもたちを呼び、私の前で九九の暗唱テストを行います。一人一人に九九シートを配り、クリアした段にチェックを入れていきます。すべて完全にできるとこの写真のような『よくできました』シールをあげています。この額にシールを貼られた子どもたちはとても誇らしげで、自信を持ったように見えます。

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授業中は計算しやすいように、小石やお金など目に見えるものを足したり引いたりして計算をイメージしやすいように工夫しています。
計算の公式は、教室に掲示していたら、ボツワナの先生たちもまねして使うようになりました。

この結果、私がこの学校に赴任して1年間で、以下のような成果が得られました。

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ボツワナではABC評価(テストで50%以上取得)の人数が重要になっています。この結果を見ると、その人数を57.7%から80.8%まで引き上げることができました。

次回は、同期の小田さんがボツワナの小学校で行っている四則計算の教え方事例を紹介します。お楽しみに。