インデックス型農業保険で小規模農家の生計リスクを軽減

2019年5月7日

降雨時期の遅れや雨不足は、農家の生計に、しばしば壊滅的な被害をもたらします。2016年のエチオピアでは、エルニーニョ現象の影響で雨季に十分な降雨がなく、多くの農家が作物や家畜を失いました。

天候をコントロールすることは不可能ですが、農家が干ばつに備える仕組みを作ることは重要です。インデックス型農業保険はその一つで、降雨不足や不安定な降雨パターンにともなう農家のリスクを軽減する仕組みとして、知られています。

過去にJICAが実施した農業保険のパイロット事業の成果を、さらに拡大したいとの要請をエチオピア政府から受け、JICAは2019年4月19日に「農村レジリエンス強化のためのインデックス型農業保険促進プロジェクト(ICIP)」を開始しました。この5年間のプロジェクトは、単に保険商品を農家に提供するのではなく、農業技術、肥料、種子、マイクロファイナンスなど農業に必要な投入と、天候不順で作物被害が出た際に保険金が支払われる仕組みを組み合わせた、通称「レジリエンス強化パッケージ(REP)」の普及を目指しています。これにより農家は、農業生態系や作付体系に応じて、「リスクコントロール」と「リスクファイナンス」の双方を享受することになります。

このプロジェクトは、農業省およびオロミア州農業局と共に、オロミア州内の6県を対象地域として実施されます。また、民間の保険会社と連携して保険商品の設計を行うのも、本プロジェクトのユニークな点です。5年間で20,000人の農家が保険加入することを目指し、長期的には、エチオピア政府が本プロジェクトの知見を国中に拡大できるよう、取り組んでいきます。

【画像】