2021年9月15日
JICA産業振興プロジェクト(輸出振興)は、MoTI(注1)、LIDI(注2)、ELIA(注3)と共に、数年にわたりエチオピア羊革素材及び製品の輸出額増加を目指し、マーケティングと品質向上に取り組んできました。同プロジェクトでは、羊革素材のナショナルブランドである「Ethiopian Highland Leather(EHL)」を立ち上げ、海外での商標登録も実施しました。持続的なブランド管理の観点から、高品質な革の生産に向けて、タンナーにおける生産・品質・環境管理の継続的な改善が重要となります。
8月31日、4つのタンナーに対し、EHL認定証が授与されました。これらのタンナーは、EHL品質基準に基づき、工場立ち入り検査による原皮~仕上げまでの生産・品質・環境管理に関する基準と、製造された革に対する物性・化学物質検査の基準をクリアしています。今後、これらのタンナーが製造する羊革素材には、EHLのブランドロゴをつけて販売することが可能となります。
さらに同日LIDIの職員2名が、EHL認証監査官の第1号として資格を授与されました。EHL認証監査官となったLIDIのツェガーブ・ベケレ氏とダニュー・ネガサ氏は、これまでに多くのタンナーにおいて監査の経験を積み、今回の4社の監査とEHL認証基準の設定において中心的な役割を果たしました。
エチオピアの羊革は、軽く、薄く、柔らかく、丈夫であることで有名であり、ゴルフグローブ、ファッショングローブ、バッグ、さらには衣料品などの高級品メーカーにとって最適な素材です。
EHLブランドの認証の仕組みが整い、それを運用する人材が育つことで、今後ますますEHL認証タンナーが増え、エチオピアの高品質な羊革の生産量増加、さらには輸出量増加に繋がっていくことが期待されます。
EHL認証タンナー:
認証EHL監査員:
(注1)MoTI:エチオピア貿易産業省
(注2)LIDI:エチオピア皮革産業開発機構
(注3)ELIA:エチオピア皮革産業組合