ボランティアレポート「ブランタイヤ水道公社のために」

2020年3月17日

名前:長谷川 千夏
隊次:2019年度短期派遣
職種:土木
配属先:ブランタイヤ水公社
出身地:島根県松江市

横浜市水道局(以下、横浜市)では、2017年にJICAと締結した覚書に基づき、JICAボランティア短期派遣制度を活用して、マラウイ国ブランタイヤ水公社(以下、BWB)に職員を派遣し、BWBが抱える課題解決に向けた業務指導を行っています。今年度は全3回の派遣の最終年度となり、事務分野・技術分野でそれぞれの課題解決に取り組んでいます。

共通事項は土木工事と料金に関するマニュアルの活用状況の確認と見直しです。前回の派遣でBWBからの要望によりそれぞれのマニュアルを作成しました。今回そのマニュアルが活用されていて、BWBで加筆を行っているのか確認を行いました。残念ながら、期待したほどはどちらもあまり活用されている様子はなく、工事のものについては現場作業員には存在すら知られていないという状況でした。料金のマニュアルはより現地に合った形に変えていくといった作業を行っていき、工事のマニュアルは小冊子を作成して配布をすることで職員への周知を行っていきました。それ以外では、料金管理・施工管理に関するワークショップを開催して、BWBが抱える問題と解決方法に関する議論を行いました。また、技術分野では他に、工事後の記録を残すため状況ごとに写真を撮影して管理・保存を行うことの提案。無収水(漏水など水道料金として徴収できない水)を削減するための活動の実施など様々なことを行っていきました。

また、前回日本文化紹介イベントというものを行い好評であったことから、今回はそれに負けないためにも日本食を振舞うイベントを行いました。みそ汁や唐揚げ、コロッケなどを準備して食べてもらいました。マラウイではフライドチキンがよく食べられているため、唐揚げは非常に人気があり、あっという間になくなりました。この時に、箸を使って食事をしてもらうことにも挑戦してもらいましたが、普段使うことがないため多くの人が苦戦をしていました。参加した人たちはとても楽しそうであり、初めて食べる日本食に大満足の様子でした。これを見ていた我々にとっては非常にやりがいのある活動となり、前回にも負けないイベントになったのではないかと思いました。

6週間程度の派遣期間で、初めは長いかと思っていたのですが、気が付いたらもう活動も終わりということになっていました。ようやくこちらでの活動に慣れてきたかなと思ったら終了となってしまいました。初めての海外派遣で考え方の違いなどから苦労をすることも非常に多かったですが、日本にいるだけでは体験できないことを経験することができたと思っています。後は、今回の提案を反映してもらいBWBの問題解決に少しでも役に立つことができていれば嬉しく思います。

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漏水調査の様子

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施工管理ワークショップの様子

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日本食紹介イベントの様子

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振舞った唐揚げ