電力不足に悩むマラウイに、新たに19.1MWの水力発電所が増設されました!

2021年6月22日

6月8日(火)に、無償資金協力「テザニ水力発電所増設計画」により増設されたテザニIV水力発電所の竣工式が執り行われました。式典にはチャクウェラ大統領が出席し、マラウイ電力供給公社(EGENCO)から大統領へ新施設の説明が行われ、大統領は熱心に説明を聞きながら、炎天下の現場を歩いて視察されました。視察後のスピーチの中で、大統領は「深刻な電力不足に悩むマラウイにとって、今回の新発電所の重要性」と本事業の意義を称え、日本語で「ありがとう」と日本への謝意を表明されました。竣工式の様子は、翌日の新聞の第一面に大きく取り上げられ、マラウイ国民の関心の高さが窺えました。

案件名 マラウイ国テザニ水力発電所増設計画
The Project for Expansion of Tedzani Electricity Hydropower Station
E/N署名日 2015年3月18日
供与限度額 57.72億円
コンサルタント名 東電設計株式会社
施工会社名 三菱商事株式会社
現地施工会社名:Calik Enerji
着工日 2018年6月11日
現地雇用創出 マラウイ作業員数は、のべ12万人

「テザニ水力発電所増設計画」は、既存の3基に発電機1基を増設し発電容量19.1MWを国内送配電網へ供給可能にしました。コロナ禍により世界中が影響を受ける中、着実に工事が進められ、今般完工に漕ぎつきました。案件の実施主体となるEGENCOにとっては、2017年の同社設立以来初の発電所建設となり、マラウイ政府にとっても、2020年のチャクウェラ新政権発足以来、50億円を超える初めての大型インフラ案件の完工です。国家開発ビジョン「Malawi 2063」において2063年までに中進国入りを目標に掲げるマラウイにとり、産業振興に必須なインフラ基盤であるエネルギー分野の開発は重要なテーマであり、国内総発電量の4%以上を供給するテザニIV水力発電所は、マラウイへ大きなインパクトを与えます。

JICAはこれまでにも無償資金協力「太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画」(2010年2月17日E/N署名)、個別専門家「電力開発アドバイザー」(2013~2016年)などマラウイのエネルギー分野への協力を行ってきており、現在は首都リロングウェ市の変電所改修のための詳細設計を支援しています。

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完成した発電所前で(大統領:右5番目、和田JICAマラウイ事務所長:右2番目、岩切特命全権大使:右6番目)

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式典幕屋での大統領スピーチ

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発電所内で大統領の訪問帳記帳