マラウイボランティアレポート「初めてのアフリカ、JOCVとして何ができるのか」

2022年12月15日

名前:阪本 竜也
隊次:2021年度3次隊
職種:環境教育
配属先:リロングウェ水公社
出身地:大阪府堺市

マラウイの上空から見た景色。雄大な山々、果てしない空、赤い大地…。いよいよこの国で暮らすのか!その興奮は、いまでも鮮明によみがえってきます。しかし実は私、派遣されてからの数か月は、自分がアフリカ大陸のマラウイで暮らしている、という実感がわきませんでした。任地へ派遣されても、自分が派遣前に想像していたより、暮らしはずっと便利でした。電気代や通信料がスマホアプリで払えること、スーパーマーケットでカード払いできること、計画停電があること、生活に必要なものは一通り揃えられること…。アフリカのイメージと現実との強烈なギャップが、自分に魔法をかけていました。その魔法を、日々過ごす中で出会ったマラウイアンや文化、カラフルな動植物、大自然の壮観な眺めが徐々に解いてくれたのです。その度に驚かされ、いま自分は日本から遠く離れた大陸にいるのだと、幾度となく咀嚼し、じわりじわりと実感がもてるようになりました。そして、ゆったりと日々を過ごす中で、マラウイの人々の暮らしの実情が見えてきます。

近年、マラウイの人口は増え続け、2021年には2001年からおよそ1.7倍の約1,965万人となっています。これに伴い、特に首都のリロングウェにおいて、水や食料などの需要も増加し、さらにCOVID-19やウクライナ戦争の影響によると思われる物価の高騰が人々の暮らしを直撃しました。私の配属先であるリロングウェ水公社は、拡大する水需要に対し、無収水(劣化や違法接続に伴う水道管破裂などによる、水道料金の徴収ができない水)の削減、下水道設備の拡充などによる効率的な水処理に、特に力を注いでいます。微力ながら、私も市内のセカンダリースクールで水や森の大切さを伝える環境教育活動を行っています。活動が思い通りに進まず、協力隊としてできることが限られていると感じることもありますが、焦らず、自分のできることをコツコツと進めていこうと思います。

とある発展途上国の方と話していると、先進国が開発援助を行っても、国民の生活はそれほど変わらない、と言われたことがあります。国際協力とは何だろう。これをきっかけに、より深く考えるようになりました。途上国の立場に立ち、一握りの人々だけではなく、現地で苦労しながらもつつましく暮らす方々の「幸せのかたち」を考えること。これが前提にあって初めて、国際協力と、胸を張って言えるのではないでしょうか。国際協力スーパー初心者ですが、様々な方々の助けがあって今ここにいることも忘れずに、これからも邁進していく所存です。

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飛行機から見たケニア・マラウイ間の景色

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マラウイ湖(サリマ県)

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水と森の大切さを伝える環境教育活動

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首都郊外の水源林での植樹祭の様子