JICAインターン生による記事『イランの地球温暖化対策に、日本の技術・知識を 〜日本の工場視察〜』

今回は、JICA国内事業部のインターン生がイランの研修員と共に工場を視察した際の感想文を掲載します。

2016年2月15日から2月29日まで、イラン環境庁、石油省、石油公社等から14名が「地球温暖化対策炭素管理」研修に参加しました。
イランといえば、核開発問題に対する制裁措置が今年1月に解除されたばかりであり、日本からの国際協力が今後ますます期待されています。

今回の“That’s研修”では、JICA国内事業部インターン生の東京大学大学院修士2年生、中村直登さんが、イランの研修員と共に工場を視察した際の感想文を掲載します。

インターン生として、研修についてありのままの意見が述べられています。

インターン生による感想文

イランでは、GHG(温室効果ガス)排出量の約1割を石油ガス分野が占めていると推計されており、地球温暖化対策に向けて、石油ガス分野でのGHG排出量の削減が目指されています。その一環として、炭素管理の手法や政策について学ぶために研修員が来日しました。
2月23日は、研修の一環として、日本の工場の環境対策・省エネ技術を学ぶために、富士石油(株)袖ヶ浦製油所と新日鐵住金(株)君津製鉄所を視察しました。私もインターン生として一日同行しました。

富士石油(株)袖ヶ浦製油所は原油を輸入し、燃料油や重油、ナフサなどの製品に精油する工場です。本視察では、工場内の統合計器室や燃料油をタンクローリーに積み替える場所などを見学しました。
新日鐵住金(株)君津製鉄所は、コークスや厚板製品などの様々な鉄鋼製品を作っている工場です。本視察では、電力と水に関する省エネ対策や廃棄物リサイクルに関する講義を受け、プラスチックの再利用過程や水の再利用過程を見学しました。

多くの研修員は省庁や公社の出身であることから、日本では民間の工場が大規模な省エネ対策やリサイクル事業に取り組んでいること自体に大変驚いており、また廃棄物のリサイクル方法や排出されるGHGの測定方法等について活発に質問していました。

研修員の方に一日同行したことは、私にとって国際協力の現場を見られる貴重な経験でした。研修員の方々が積極的に質問し、その質問に真摯に応える日本の企業の方々の姿を見ることが出来ました。この経験を通じて、「国際協力は人と人の付き合いであり、互いを尊重しつつ学びあう」ことが必要不可欠であると改めて実感しました。

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JICAでは中村さんのようなインターン生を毎年受け入れているほか、今回のような研修の講義について、より一般公開を進めていくことで、地域社会の皆様の国際協力の現場に対するご理解を深めていただくといった取り組みも行っております。 
ぜひこの記事をお読みなった皆様も、JICA東京にまで足を運んでいただけると幸いです。

JICA東京 経済基盤開発・環境課  石丸 大輝