フィリピン国の資本市場整備能力の向上を目指して

フィリピンより行政官16名が来日し、資本市場整備について学びました。

フィリピンから研修員16名が来日

金融庁にて研修の評価会を行う

 フィリピン国は、短期金融市場の未整備、財務省の公的債務マネジメント体制の未整備および円滑な国債管理が行われていないことにより、国内外の債券市場においていまだ充分な取引量を確保できず、金利に感応する金融市場の発展目安であるイールドカーブが構築できていない状況にあります。
 このような背景を受け、フィリピン財務省及び証券取引委員会、中央銀行に対する、日本におけるレポ取引の概要・規制や実際のオペレーション、プライマリーディーラーシステム等の講義を通して、フィリピンにおける適切な政策・制度の改善を支援しようと、フィリピンにて国債等の発行実務や金融取引の規制・監督等に携わる行政官16名を、2016年4月中旬に約1週間、研修員として日本へ招聘しました。

日本で資本市場整備について学ぶ

JICA担当者より研修修了証を授与される

 研修員16名は、研修初日に、日本銀行にて、日本銀行の講師陣より、国債管理、レポ市場概要について講義を受け、研修二日目には、野村證券を訪問し、フロント業務、ミドル業務、バック業務について学ぶとともに、ディーラールームを視察しました。また、研修最終日には、金融庁を訪問し、マーケット機能の進化と金融安定についての講義を受けました。
 JICA東京においては、財務省、日本証券業協会、及び証券保管振替機構の各講師陣より、国の債務管理、国債DPシステム、国債発行、レポ自主規制、一般債管理についての講義を受けました。

フィリピンでの実践に向けて

JICA東京で学んだことが帰国後の業務に活かされることを願います

 各研修員が、帰国後にフィリピンにおいて国債等の発行や金融取引の規制・監督等の実務に携わっていく中で、今回の研修において学んだ見識が活かされ、フィリピン国の資本市場整備能力の向上に資することを願っております。