【報告】「草の根技術協力事業 ~よりよい実施のための情報交換会」の実施

2019年12月10日

2019年11月28日(木)JICA東京では草の根技術協力事業実施中および実施準備中の団体を対象に「草の根技術協力事業 ~よりよい実施のための情報交換会」(以下「情報交換会」)を実施しました。

情報交換会は経理業務の説明を中心として草の根技術協力事業実施団体を対象に実施してきた経理処理説明会を2016年度からリニューアルし、実施団体間、JICAとの意見交換・情報共有に重点をおいた説明会としています。

今年度は基軸となる「経理処理におけるポイント」「安全管理」の講義に加え外部から3名の講師を招き、草の根技術協力の優良事例についての講義・解説、および、交流会による情報共有の場を設定、50団体、延べ80名の方(途中参加含む)が参加されました。

事例から学ぶ

質問に答える講師

今年度は国際協力NGOセンター(JANIC)元事務局長の山崎唯司さんをお招きして「外部からみた草の根事業の実施団体に期待すること」をテーマに基調講演いただきました。「案件形成の抑えるべき点」「成果達成の着眼点」「評価するポイント」「企業やNGO連携」などが分かりやすかったとコメントがあり、もっとじっくりお話を伺いたいとの反響も寄せられました。

引き続き草の根技術協力事業の好事例の紹介として「円滑な事業推進のためのカウンターパートや関係省庁とのコミュニケーションの取り方」について特定非営利活動法人アクション代表の横田宗氏から、「持続性を見据えた地域住民の巻き込み方」について山梨県立大学講師(昭和女子大学元専任講師)安藤勝洋氏から発表いただきました。

人と人を繋ぐ草の根技術協力事業を実施する上においては現地関係者との関係構築は重要なポイントでもあり、しばしば問題となるテーマでもあることから行政との協働や住民の巻き込みについては参加者の関心も高く、熱心に聴講いただき、また質疑応答でも多くの質問をいただきました。

参加者から草の根技術協力のより良い実施に向け非常に参考になったとの声が。なかには「事業全体の中期計画づくりに役立った」「地域での課題目線での捉え方が参考になった」などのほか「現地のニーズと団体の方針が一致している重要性を再認識した」といったコメントがありました。

プロジェクトの事業を実施した当事者が現地活動の事例を交えての具体的説明したことでより理解を深めることができた時間となりました。

昼食/交流会

交流会の様子

情報交換会においては参加団体とJICA、参加団体同士の情報交換の場としての位置付けも重要視しています。多くの方が参加可能な昼食の時間を利用して交流会を実施しました。交流会では午前中の事例発表の内容に関連して講師と意見を交わしたり、地域やセクターの枠を超えて各団体の日常の課題などについて話し込む様子が見られ、交流会は、時間が足りなくなるほどでした。連絡先を交換された方も多く、更なる情報交換ネットワークの広がりが形成されることを期待します。

経理処理のポイントと安全管理

経理処理のポイント

午後は経理処理説明会の趣旨に立ち返り、JICAからの講義を中心としました。特に経理においてはJICA調達部より留意するポイントの説明を行いました。今年度は消費税率の変更などもあったことでより一層関心を持って聞いていただきました。経理処理の具体的ポイントは質問の多い事項を中心に団体が苦労している点を網羅した120分に及ぶ講義時間になりましたが熱心に聴講いただきました。
最後の講義はJICA安全管理部よりJICAの安全管理方針をお伝えしました。安全管理の講義は短い時間設定でしたがJICAの安全管理の考え方についてよく理解できたとの意見がありました。

情報交換会全体では丸々1日におよぶ長い時間でしたが、講義や資料が実施・運営に活かされることを期待します。

【事業・研修の概要】
 2019年11月28日(木)
 草の根技術協力事業 ~よりよい実施のための情報交換会
 80名  於:東京センター