課題別研修「地上デジタルTV放送政策・技術」: 遠隔研修の実施について

2020年12月21日

日本の地デジ技術

 現在、私たちが日常的に楽しんでいる「地上デジタルTV放送」について、どのくらいご存知でしょうか。2003年以降約10年間の移行期間を経て、地上デジタルTV放送はいまや日本全国で広く享受されていますが、この一大国家プロジェクトは、日本の高い放送技術と総務省・各放送事業者等多くの関係機関の協力なくしては成し得ないものでした。そして、この日本の地デジ技術は、これから地デジ化を進める開発途上国にとって大きな参考となるもので、本研修を通して、多くの研修員たちに日本の知見・経験を伝えています。

遠隔研修に向けた事前準備

オンデマンド講義の撮影風景

 全世界的なコロナ禍の影響から、今年度の研修事業はすべて来日中止となり、本研修も新たな試みとして遠隔化に挑戦しました。研修受託機関である(一財)NHK放送研修センターとともに、対象5ヵ国の時差も考慮の上、効果的な実施運営方法を検討した結果、オンデマンド講義+オンライン質疑応答・討議を組み合わせた形式で企画しました。
 従来の本邦研修とは異なり、9本のオンデマンド講義の動画撮影にあたっては、スクリプト準備、通訳チェック、動画編集・確認等、想像以上に多くの時間・労力が掛かりました。それでも、本研修に関わる全ての関係者の熱心さとプロフェッショナルな支援により、質の高いオンデマンド講義動画を仕上げることができました!

オンラインでも議論は熱く!

オンラインでも活発な議論が繰り広げられました

 参加した対象国は、それぞれ地デジ化のプロセス進捗や課題も異なりますが、オンデマンド講義等を通じて新たな知見や技術を学んだり、研修員間での討議・学び合いも体験することができました。また、コロナ禍という共通の課題の中で、地デジ化プロジェクトを計画通り進行していくことの難しさも共有しました。

今後の遠隔研修の可能性

協力機関の皆様と

 研修終了後には、研修員から、「一部接続の問題等もあったものの、遠隔研修でも多くの学びがあった。次回はぜひ訪日し研修参加したい」との声が多く聞かれました。コロナ禍という難しい局面においても、JICAの協力を止めないことの重要さを感じました。今後さらに遠隔研修の経験を積み重ね、より充実した遠隔研修プログラムを実施していきたいと思います!