協力隊Before after~経験者は今、何をおもう?~(後編)

神田外語大学で実施された「JICAボランティアセミナー~活躍する卒業生隊員たち~」。卒業生で、協力隊経験者の、JICA東京で働く2人がオンラインで登壇。学生時代から現在に至るまでの国際協力についての考え方・関わり方・心境の変化をインタビューしました!本記事は協力隊に参加して、そしてこれからの海外との関わりについて紹介している後編となります。

2021年7月6日

実際に協力隊って?これから海外とはどうかかわりたい?   

【画像】—佐谷さんは「教室からは見えないところが気になった」から協力隊に参加し、途上国現場を知りたいと思ったとのことでしたが、実際に行ってみてどうでしたか?

佐谷:
●「教室」から見ることと「現地」から見ることには大きなギャップがありましたね。まず、ホンジュラスという国は日本では馴染みがないじゃないですか。得られる情報も限られていて、治安が悪い、怖いといったネガティブな印象を持って行きました。しかし、実際に現地の人たちと衣食住を共にしてみると、穏やかな環境で人々もあたたかく優しかったんです。協力隊に参加したことで、インターネットでは得られない情報や価値観を多く得ることができました。それから、どの国の人達にも一部のデータやニュースに偏らない生の情報や国際協力の実際を伝えたいと思うようになりました。

—ほ~、実際に生活してみたからこそ、の想いですね。

【画像】—佐久間さんは短期、長期と2度の協力隊参加によって何か変わったことってありますか?

佐久間:
●沢山の人にスポーツの楽しさを伝えるぞ!という目標を持って出発しました。しかし、実際に活動していく中で「日々を暮らしていくのに精いっぱい、スポーツを楽しむ余裕はないよ」という人々に出会いました。自分1人で行動することに限界を感じ、僕の目標を叶えるためには、「スポーツを通じた平和促進」の技術協力や「スポーツを通じた開発」を行うNGOなど、専門知識を持った方々の活動を支援することが今自分にできる最善策じゃないかな、って思うようになりましたね。

—「自分が1人で何かをする」から「誰かの役に立ちたいと思う仲間の応援を!」という気持ちへ変化したんですね。


—最後に、協力隊の経験を経て、これからどのように海外とかかわっていきたいとお考えですか?

佐谷:
●新型コロナウイルス感染症の影響で、海外渡航や現地の人々と関わる上での醍醐味である「人との触れ合い」に制限が出てしまい、迷っているところです。一方で、オンライン化が国内外で進み、コミュニケーションをとる手段は格段に広がってきているので、できる形で海外との「繋がり」を仕事でもプライベートでも大事にしていきたいと思っています。今も、協力隊の時に繋がったホンジュラスの友達との連絡は欠かせません!

佐久間:
●今、JICA東京で草の根技術協力事業を担当しており、受託団体であるNGOや大学の方々の現地への想いや考え方から日々学ぶことが沢山あります。まだまだ国際協力について経験が浅いので、経験豊富な諸先輩方から多くのことを吸収していきたいと思っています。
●個人的には将来スポーツを通じて何か世界に貢献できる取り組みをしたいと考えているので、日々の業務を通して少しずつ準備を進めていきたいなと思っているところです。

—お2人ともこれからも海外と関わっていきたい!という気持ちがあふれていますね。
今はJICA東京で、協力隊とは異なる形で「国際協力」に携わるお二人に、JICA東京の田中所長からのメッセージです!

田中所長:
●色々なきっかけがあり協力隊に参加された秘話が初めて聞けました。挑戦しようという気持ちがとっても大切ですね。また海外協力隊に挑戦したことで沢山得たことがあり、それが未来地図になっているのですね。「持続する情熱」を大切に途上国の課題解決、そして更には日本での課題解決に引き続き挑戦していきましょう!

市民参加協力第一課・高橋瑞樹