ブータン:透析センターがオープン、COVID-19の影響下で高まる人工透析治療のニーズへ貢献

2022年9月14日

ブータン西南部サムツェ県病院に、2022年8月1日、JICAの技術協力により初の透析センターがオープンしました。サムツェ県出身の経済省大臣、サムツェ県知事、JICA事務所長他がオープニングセレモニーに参加しました。これまでは、サムツェ県の人工透析治療が必要な患者は、週に2回、車で片道2時間ほどかかるプンツォリン県病院まで通院する必要があったところ、透析治療が開始されることでサムツェ県の透析患者の便宜と福利が大変向上しました。オープニングセレモニー直後から、患者への治療が開始されました。

これは、2021年度の「技術協力プロジェクト(新型コロナウイルス対策)」の一環で、現地調達した医療機材の内、サムツェ県病院において3台の人工透析装置と透析液供給装置などの利用開始準備が整ったことから、サムツェ県で初めての透析室のオープンにこぎつけたものです。サムツェ県は人口が多いのに対し交通の便が悪く、さらにCOVID-19の影響により患者の移動が難しくなり、感染患者は人工透析施設のある病院に行っても人工透析機材が少なく治療を受けにくい状況になり、人工透析患者のおかれた環境は厳しいものでした。このように、サムツェ県病院での人工透析サービス開始は、ブータンにおける医療課題の内で、COVID-19の影響を受けて重要性が高まっていました。

そのため、ブータン国内での反響が大きく、8月1日当日と7~8日に放映された国営BBSテレビの「週間ニュースダイジェスト」でもこのニュースが取り上げられました。

2021年度の「技術協力プロジェクト(新型コロナウイルス対策)」は、6つの病院への人工透析関連機材、王立疾病予防管理センターへの検査・感染症研究機材、首都国立病院の機能強化のための医療機材等を対象として実施しました。

サムツェ県病院での透析センターオープニングセレモニーの様子

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