看護師のための指導者養成研修が実施されました

2020年7月8日

2020年7月6日~8日、今年初めてとなる看護師のための指導者養成研修(TOT研修)が実施されました。

この研修は、もともと医師の指導者を育成するためにモンゴルで実施していましたが、2018年10月に初めて試験的に看護師も対象に含めて行いました(プロジェクトニュース2018年10月11日参照)。その後、看護師の指導者育成のニーズがあることがわかり、さらに保健大臣からの指示もあり、研修開発を本格的に開始しました(プロジェクトニュース2019年6月13日参照)。大臣令のもとワーキンググループを結成し、日本から複数の専門家に来てもらい、活動を進めました(プロジェクトニュース2019年8月15日、9月2日参照)。ワーキンググループのメンバーには、日本で研修する機会も設けました(プロジェクトニュース2019年11月21日参照)。そしてついに昨年12月、モンゴルで初めてとなる看護師のための指導者養成研修が実施されました(プロジェクトニュース2019年12月19日参照)。その時の様子はモンゴル国内のメディアにも広く取り上げてもらい、継続した活動への期待が寄せられていました。

2020年に入り、今年は国際看護師・助産師の年でもありますので、積極的に看護師のための指導者養成研修を実施していくことを計画していました。保健省は定期的な研修開催だけでなく、さらにこの研修を拡充させていくために、研修の指導者(ファシリテーター)の育成も必要であることを認識し、予算を組んでいました。しかし、2月以降の新型コロナウイルス感染拡大防止策の一環で研修が実施できなくなったため、今年の研修が実施できなくなっていました。

6月中旬以降、感染防御に留意しながら様々な研修の再開が許可されるようになり、この度、今年初めてとなる看護師のTOT研修を実施することができました。今回は半年ぶりの開催ですので、指導する側の準備が十分できるか心配しましたが、準備すべきことはリストになっており、全くブランクを感じることがないレベルで用意することができました。ウランバートル市内の病院を中心に集まってきた24名の看護師たちは、自分たちが育成すべき看護師像、新人看護師への適切なフィードバック法など、講義、ディスカッション、演習などに積極的に取り組んでいました。あと半年、継続して看護師の指導者養成に取り組む予定です。

次期フェーズでは、看護人材の育成にも焦点を当てて取り組みます。本プロジェクトでは、新人看護師の育成に必要な指導者の養成に継続して取り組み、次期プロジェクトにスムーズに移行できるように活動していきたいと考えています。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

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研修ファシリテーターの開始時の挨拶

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グループディスカッションの様子