ルワンダのSHEPアプローチプロジェクトSMAP

2017年12月27日

ルワンダで実施中の「小規模農家市場志向型農業プロジェクト」通称SMAPは、ルワンダ全国を対象に2014年10月に開始されました。カウンターパートであるルワンダ農業動物資源省傘下のルワンダ農業局(RAB)と共に、SHEPアプローチを活用した小規模農家による市場志向型農業の実現と農家の所得向上を目指して活動を行っています。

プロジェクト活動内容

本プロジェクトの活動で普及する市場志向型農業パッケージは、1)組織強化/ジェンダー、2)マーケティング、3)栽培技術の3つのコンポーネントから構成されます。これらのコンポーネントを取り入れた年間活動モデルは下図のとおりです。

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図:SMAPの年間活動モデル

各活動は前後の活動とリンクするように設計されており、「モチベーションの向上」と「技術の向上」が交互に発現されるよう工夫しています。

やる気のある郡・組合大歓迎!

SMAPでは、これまでに東部県、北部県、西部県(1つの県に約8郡が含まれています)を対象に活動を行ってきました。県の中からプロジェクト活動を一緒に行う2郡を選定する際、プロジェクトからの指定ではなく、郡事務所からのプロポーザル方式を採用しています。1年間のプロジェクトによる支援の後には、自分たちで継続してSMAP活動を行うというやる気のある郡が選ばれます。

郡が選ばれたら、次に園芸組合の選定です。こちらもプロポーザル方式で選定します。セクター(郡の一段下のレベルの行政機関)の農業普及員が園芸組合と協力し、プロポーザルを作成して郡に提出します。このようにして、野菜の栽培技術を習得・改善し、ビジネスとして農業を実施したいというモチベーションの高い組合が選定されます。

1年間のSMAP活動の結果、対象組合の農家からは、「収益を灌漑用ポンプの返済金に充てた」、「得られた収益で家を建てた」等の喜びの声が聞かれました。また、やる気のある組合の成果を見て、周りの農家が真似をするなど、期待以上の成果も見られています。

RAB-SMAP始動!

2016年11月よりRABによる「SMAP活動をと取り入れた園芸普及プログラム」、その名もRAB-SMAPが始動しました。既に1年目の活動は終えましたが、更なる活動の改善を求め、現在、RAB-SMAP職員に対して、SMAPの理解を深めるためのワークショップや、技術研修の講師となるための研修を行っているところです。

2017年12月に、SMAP活動の内容やコンセプトを説明する2日間のワークショップを開催しました。参加したRAB職員は、SMAP活動に対する理解を更に深め、自分たちの活動に取り入れていく意欲を見せていました。今後も、圃場研修での指導や研修マテリアル等の改善を通してRAB-SMAPの活動を支援し、SMAP終了後もルワンダ政府が主体となって活動が継続される体制の構築を目指していきます。

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SMAP活動紹介ワークショップにおいて日本人専門家による講義

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RAB-SMAP担当職員によるSMAP対象園芸組合への訪問