環境管理

オンライン「JICAクリーン・シティ・イニシアティブ(JCCI)国際セミナー2023」ブルーステージ

(注)セミナーはブルーステージとグリーンステージの2会場で同時進行にて行われました。

セミナープログラム(ブルーステージ)

(注)発表資料(PDF)と動画(日本語・英語・スペイン語)は下記リンク先で閲覧できます。

オープニング・挨拶

山田 順一氏(JICA副理事長)
松澤 裕氏(環境省地球環境局長)

導入セッション:「JCCIとJICAのクラスター戦略」

宮崎 明博氏(JICA地球環境部次長)

動画(外部サイト:YouTube)

セミナー(1)環境対策・戦略:マスタープラン(M/P)策定からきれいな街を考える

環境対策・戦略:マスタープランM/P策定からきれいな街を考える

松岡 秀明氏(JICA 地球環境部参事役)

環境管理分野におけるマスタープラン策定と、それを基にした支援の広がりについて意見交換する。事例としてベトナムのクアンニン省ハロン湾における環境管理計画策定から、その後の技術協力や円借款事業へのつながりや、ネパール、ポカラ市において実施している汚水管理におけるマスタープラン策定支援事業の説明を行い、今後の可能性について関係機関からのパネラーとディスカッションする。

ネパール国ポカラ市における都市包括的な汚水管理改善の開発方向性

藤井 克巳氏(八千代エンジニヤリング株式会社 海外事業部長)

ポカラ市には下水道が無く、家庭や事業所の汚水は浸透槽や河川・排水路で自然環境へ放流されている。今後の都市開発の進展とともに市域の水環境汚染の進行が懸念される。また、市内の9湖沼を含む地域がラムサール条約登録湿地であり、ヒマラヤ登山のベース都市としての環境整備や都市部・郊外部を含めた包括的な汚水管理の必要性が訴えられている。この背景の下、効率的かつ効果的な下水道やオンサイト処理の制度・施設・運営維持管理体制について、2050年を目標にした長期的視点で課題と開発方向性を提案する。

開発途上国におけるCWIS(City-Wide Inclusive Sanitation:都市全体の包括的衛生)の普及に向けたADBIの取り組み

K.E. Seetha Ram氏(アジア開発銀行研究所Senior Consulting Specialist、東京大学客員教授)

ADBIはビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団と共同で、アジア開発銀行の開発途上加盟国(DMC)におけるCWISソリューションを、能力開発および研究プログラムを通じて推進しています。これらの取組には、ケーススタディや政ポリシーブリーフ、ハイレベル政策対話、円卓会議、セミナー、ワークショップなどのイベント、DMCの行政官、専門家、民間部門の専門職員を対象とした現地視察が含まれます。

ビル&メリンダ・ゲイツ財団の都市全体の包括的衛生(CWIS)への取組

Roshan Shrestha 氏(ビル&メリンダ・ゲイツ財団Deputy Director)

都市全体の包括的衛生と中低所得国におけるその追求のためのビル&メリンダ・ゲイツ財団の役割について発表。

動画(外部サイト:YouTube)

セミナー(2)地域を対象としたJCCIの取組・推進

地域を対象とした取組

下平 千恵氏(JICA 地球環境部課長)

JICAでは従来の二国間協力の枠組みを超え、地域全体を対象とした様々な支援を展開している。本セミナーでは、アフリカおよび大洋州における廃棄物管理改善の取り組みとして、「アフリカのきれいな街プラットフォーム(ACCP)」及び「大洋州地域廃棄物管理改善支援プロジェクト(J-PRISM)」を取り上げ、途上国の間での知見・教訓の共有の促進、他ドナーや民間企業など多彩なアクターが参画する広域的なネットワークの構築などの付加価値について紹介する。

アフリカきれいな街プラットフォームのこれまでと将来の展望

竹内 奈穂氏(国際連合人間居住計画・都市基盤サービス部門・廃棄物スペシャリス)

アフリカのきれいな街プラットフォーム(ACCP)は、急速に都市化が進むアフリカにおいて、2030年までに廃棄物関連の持続可能な開発目標(SDGs)を達成するための知識共有と投資促進のためのプラットフォームです。ACCPは、アフリカ24カ国の代表者が、日本の環境省、JICA、横浜市、国連環境計画(UNEP)、国連人間居住計画(UN-Habitat)と共同で、2017年にモザンビークのマプトで設立されました。2023年1月現在、42カ国160都市が加盟し、3つの行動分野で様々な活動が行われています。発表では、これまでのACCPの実績と今後の展望を紹介し、効果的なパートナーシップの構築を呼びかけます。

マプト首都圏における統合的廃棄物管理のための能力開発

Silva Magaia氏(モザンビーク国マプト市 評議員)

マプト市役所は、JICAと共同で、固形廃棄物管理サービスの改善を目的とした革新的なプロジェクトを実施しています。
このプロジェクトは、人材、組織的な調整、廃棄物削減と分別廃棄の重要性に関する地域社会の意識の向上、「エコポイント」の利用促進、適切な管理メカニズムと効果的な歳入徴収システムを通じたサービスの持続可能性の促進といった面で、地域の能力を高めることに重点を置いています。
本発表では、プロジェクトの構造、得られた教訓、中期的な成果、COVID-19の不測の事態に対応するために取られた手配、今後の方向性などについて紹介します。

動画(外部サイト:YouTube)

セミナー(3)気候変動対策/日本のDX/イノベーションを活用した環境協力、SDGsの推進

JICA廃棄物管理プログラムのデジタル的視点

宮田 真弓氏(JICAガバナンス・平和構築部STI/DX室 副室長)

JICAでは、開発インパクトの価値向上にむけて、事業におけるデジタル技術及びデータの利活用、並びに多様な知と資源を結集させた共創を促進している。廃棄物管理のテーマにおいても、デジタルソリューションの活用や外部との共創を通じ、諸外国での廃棄物管理フローのデータを蓄積・管理・活用し、また同データをもとにしたJICAの包括的な開発シナリオの推進を行っている。本セミナーの目的は、国内外の関係者の皆様に、同分野におけるデジタル技術・データの利活用の視点や各ソリューションの事例ほかを説明し、デジタル・共創ネイティブな事業の潜在性を検討する。

都市間連携を活用した北九州市による脱炭素化のグローバル展開

有馬 孝徳氏(北九州市 環境局環境国際部長)

北九州市は、公害克服の経験を活かし、多くの国際事業を展開してきました。また、2010年には「アジア低炭素化センター」を開設し、アジアの都市と連携して多くのプロジェクトを実施しています。2023年には「アジアカーボンニュートラルセンター」と改称し、活動の場を広げていきます。脱炭素化に向けた北九州市の取組みと、ベトナムをはじめとするアジア各都市との都市間連携を紹介します。

富山市の国際連携 -SDGsの推進に向けた取り組み-

沼崎 益大氏(富山市 環境部環境政策課課長)

本市は2018年にSDGs未来都市計画を策定し、さまざまな取り組みを推進する中、SDGsの視点から環境モデル都市及び環境未来都市の取り組みの深化や自立的好循環の創出に向けて、2021年に第二次SDGs未来都市計画を策定している。今後は多様な国際連携ネットワークを生かし、東南アジアを中心とした都市・地域に対して、市内企業の技術・ノウハウやコンパクトシティ戦略のパッケージ展開により、現地のまちづくり支援や生活水準の向上を通して、SDGsの推進に貢献する。

動画(外部サイト:YouTube)

閉会挨拶

小野寺 誠一氏(JICA理事)

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