旧外部有識者事業評価委員会(第3回)の概要
1.日時:
平成21年12月14日(月)14時00分〜15時30分
2.場所:
独立行政法人国際協力機構(JICA)本部 113会議室
3.出席者:
牟田委員長、池上委員、今里委員、大野委員、澤田委員、高梨委員、田中委員、中田委員、及びJICA関係者(黒田理事、総務部、評価部)
4.議事概要:
(1)平成21年度上半期における下記の取り組み結果を報告し、委員のご意見を頂いた。
1)新ガイドラインの策定状況
2)評価結果の活用促進に向けた職員向けアンケート調査の実施
- 職員の評価そのものへの関心をいっそう高めることが肝要である。
- 過去の評価レッスンを職員が適切に学び、現場に活用することが重要である。
- 評価結果の活用促進に向けたアンケートは継続して行うべきである。
- フィードバック改善のためのプロセス、仕組みを検討すべきである。
- 評価結果のうち、何を、いつ、どのように活用したかが重要である。
3)事後評価制度(簡易評価制度、インパクト評価、レーティング、一般財政支援)の検討
- 無償資金協力事業のコストを検証する際は、単純にコスト比較を行うのではなく、スペック・耐用年数・移転技術等も含めて考え、定性的な効果発現も利用者の声などで測る必要がある。
- 無償資金協力の供与時に、質と量のいずれを重視するかを決める必要がある。
- インパクト評価にはコストがかかるため、調査対象は費用対効果を勘案する必要がある。
- 援助効果の説明において因果関係を明確にし、かつ、効果を定量的に説明するインパクト評価の試行的取り組みは良い。
4)無償事前評価の導入
- アウトプットの把握は重要だが、事業のめざす方向性としてのアウトカムにも留意が必要である。
3)、4)共通
- アウトプット(実績)管理は、評価というよりも案件管理業務である。評価がアウトプット管理に注力しすぎると評価コストがかさむ結果になる。
5)プログラム評価の手法検討
- プログラム形成や評価に際し、外部要因を考慮することは重要である。
- マスタープランの目標達成に向け、調整のメカニズム、相手国の制度への内在化も含め、その変換プロセスの考察は重要である。
6)事業評価年報の策定状況
- よりいっそう読み手の立場になり、平易で分かりやすい表現を心がけるべきである。
(2)その他の有識者コメント
- 行政刷新会議の事業仕分け作業やDAC対日援助審査での指摘事項は、外部有識者事業評価委員会においても議論を行ってきた事項である。JICA内部においてPDCAが意識され、評価の重要性は認識されてきているものの、JICAとして実現できていない部分については真摯に対応していく必要がある。特に評価に関する広報を重視し、効果を分かりやすく示していく必要がある。
- 読んだ人間がその結果を納得するような評価報告書とすべきである。対外的には、定量的な説明があれば納得しやすいが、定性的な説明も合わせ効果的に行っていく必要がある。
- ODA関連の予算の縮減や評価部署の限られた人員のなか、評価範囲を狭めず、かつ、掘り下げるべきところに注力していくためには、評価制度などの工夫が必要である。
(3)今後の評価委員会の方向性
外務省が平成22年3月をもってODA評価有識者会議を終了し、新しい形でのODA評価のあり方を検討することから、JICAとしてもこれと並行して本委員会のあり方を今後見直すこととする旨、JICAより説明した。
以上