第7回議事概要
2005年7月 第7回:議事概要
1. 日時 平成17年7月14日(木)10:00〜11:30
2. 場所 国際協力銀行8階A・B会議室
3. 出席者
(1)外部委員(敬称略、50音順)(議事概要での○印は外部委員のご発言) | |
池上 清子 | 国連人口基金(UNFPA)東京事務所所長 |
今松 英悦 | 毎日新聞社論説室論説委員 |
田中 秀和 | UFJ総合研究所政策研究事業本部国際部長(ご欠席) |
中山 洋 | 日本経済団体連合会国際協力本部アジアグループ長兼国際協力グループ長 |
三竹 育男 | 横浜市水道局浄水部西谷浄水場課長補佐 |
三輪 徳子 | 国際協力機構(JICA)企画・調整部事業評価グループ長(ご欠席) |
牟田 博光 | 東京工業大学大学院社会理工学研究科教授 |
山崎 唯司 | 特定非営利活動法人国際協力NGOセンター常務理事・事務局長(ご欠席) |
弓削 昭子 | 国連開発計画(UNDP)駐日代表 |
(2)内部委員(議事概要での※印は内部委員の発言) |
武田 薫 | 専任審議役(委員長) |
辻 一人 | プロジェクト開発部長(事務局長) |
入柿 秀俊 | 総務部次長 |
山田 順一 | 開発業務部次長 |
荒井 透 | 開発第1部次長 |
大西 靖典 | 開発第2部次長 |
佐々木 篤 | 開発第3部次長 |
阪本 光男 | 開発第4部次長 |
青木 桂一 | 開発セクター部次長 |
澤井 克紀 | 環境審査室参事役(代理出席) |
(3)事務局 |
鴫谷 哲 | プロジェクト開発部課長(事後評価班) |
武田委員長の挨拶、外部委員及び内部委員の紹介に続き、事前に各委員に対し事務局より配付された資料に基づき、2003年度評価結果への対応、2004年度評価概要及び2005年度評価計画、海外経済協力業務実施方針・最終評価(2002年度〜2004年度)、について説明が行われた。主なご意見、質疑応答は以下の通り。
(1) 評価活動一般・広報○ | 評価はどの機関であっても難しいことであるが、精緻にすればよいということでなく、相手国の主体性や目線が大切。 |
○ | 途上国での評価はなかなか効率的に進まない部分もあろう。評価活動における苦労話なども報告書に盛り込むとよい。 |
○ | JBICによる評価活動の広報は、愛知万博のみならず、あらゆる機会をとらえて行うべき。 |
○ | グレンイーグルズサミットを踏まえ、日本も援助に対して前向きになってきた中で、円借款の評価は重要性を増している。JBICが先駆けて導入したレーティング等、前向きな取り組みを対外的にアピールしていくべき。 |
(2) 評価手法○ | JBICの「妥当性」の評価基準は、政策・施策と事業の整合性を検証しているが、代替案との比較も含めた事業計画の妥当性も評価すべきではないか。 |
※ | 事業計画の妥当性を事後評価の時点で検証するのは、場合によってはF/Sの再検討になり大きなコストを伴うため、効率的な方法を工夫したい。 |
○ | 今後、インパクト分析の深化が重要。産業の育成、貧困削減等上位目標を達成しているかを十分に明らかにすべき。インパクトをレーティング基準へ含めることも考え得るのでは。 |
※ | 円借款事業の貧困層への影響等も含め、インパクトの評価手法開発に引き続き努力したい。 |
○ | 合同評価については、相手国の自覚、責任意識を高める効果がある。また、政府のみならず、地元のNGO、受益農民等、草の根の声を反映することが重要。 |
※ | 将来的には全ての評価における合同評価、受益者自身による評価等も検討したい。 |
○ | 人材育成事業の効果をどのように評価するかは難しい。マレーシアの教育案件の評価では、どのような指標を用いたのか。 |
※ | アウトカムは留学生の学位取得、就職状況、インパクトは国全体の留学生数の増加等を指標とした。人材育成は、全てのセクターに関連するものであり、評価手法の改善を続けたい。 |
(その他、中国、タイの上水事業の評価内容や手法等について質疑応答があった。)
(3) レーティング○ | JBICのレーティングが、ODAの他スキームの評価制度に与えた影響は大きい。今後もレーティングは続けるべき。レーティング基準改善の試みも結構。 |
○ | 相手国へのフィードバックにおいて、DをCに変更してくれといったような要請はあったか。 |
※ | レーティングは恣意性を排して客観的に行っていることを説明し、納得して頂いている。予想外に、途上国側からレーティングは歓迎されており、自国の開発事業に適用を予定している国もある。 |
(4) 評価能力向上○ | 合同評価等を通じた途上国の評価能力の向上は重要。この点で、JBICの特徴、比較優位、戦略等は如何。 |
※ | 円借款事業の主体は相手国である。合同評価等を相手国の制度・専門性を活用・尊重しながら行うことで、相手国の評価制度の改善に一定の影響を及ぼしたい。大上段に振りかぶったTAは避けたい。 |
○ | 大学との連携(早稲田大学)について詳細を教えて欲しい。 |
※ | カリキュラム、テキストが既に完成し、今月下旬の試行講座を踏まえ、来年4月から大学院レベルの講座が始まる。円借款事業を事例に用いつつ、開発行政、社会調査、政策評価、財務分析等を専門とする教授が講義・演習を行う。将来的には、この講座を海外の大学にも広げたい。 |
(5) その他(円借款全般など)○ | 「海外経済協力業務実施方針」の評価について、評価基準をより厳しくする予定はあるか。 |
※ | 実施方針のレーティングは今回初めて導入したものであり、評価基準や方法についても今後改善をしていきたい。現状ではインプット(承諾件数・金額等)の評価が主体で比較的良好な結果となっているが、今後はアウトカム評価を導入するなどの方向が考えられる。 |
○ | 今後、アフリカ支援の重要性は高まると考えられるが、JBICのアフリカ支援の方針如何。また、アジアでの経験をどのようにアフリカに適用できると考えるか。 |
※ | アフリカ支援は、アジアと異なり、JBICの知見等にも制約があるが、アジアの事例を研究し、各機関と連携しながら地道に進めたい。アジアの経験をアフリカに生かすための調査、アフリカ開発銀行を活用した円借款が進み始めている。 |
(6) JBICからの提案最後に、JBICより、「JBICの評価制度や評価結果に対する外部委員からのコメント、意見を評価報告書に掲載する」旨提案したところ、「評価結果についての国民への説明責任を果たし、透明性を高める」「コメントに対するJBICの対応も含めてはどうか」として外部委員の賛同を得た。
以上