外部有識者事業評価委員会 第2回会合の概要

1.日時:

平成15年12月26日(金)10時30分〜12時30分

2.場所:

独立行政法人国際協力機構 12A 会議室

3.出席者:

牟田委員長、青山委員、池上委員、川口委員、熊岡委員、杉下委員、長尾委員、古川委員、吉村委員及びJICA関係者(JICA企画・評価部)

4.議事概要:

(1)事業評価に関する主な取り組みと当面の主要課題

評価監理室長より説明の後、委員からのコメントが行われた。概要は以下のとおり。

評価の大きな課題は、一つはフィードバック体制強化、もう1つは外部評価(2次評価)である。評価のフィードバックについては、事業事前評価表に教訓の活用の項目を入れるなど体制は整いつつあるが、本当の意味でのフィードバックをどうしていくか考えなければならない。外部評価については中期計画に数値目標が盛り込まれており外部の関心も高い。なお、2次評価は透明性確保と質的向上の2つの観点から実施している。それ以外の課題としては、客観的な評価指標、ボランティア事業の評価実施が緊急度の高い課題である。2004年度からの課題部発足、在外強化という大きな組織の動きをうけ、4月からの体制に組み込んで評価のフィードバックが行われるメカニズムを確立したい。

各委員より出されたコメントは以下のとおり。

  • 今後、合同評価が重要になってくるため、ガイドラインの英訳のほか、他の言語についても、在外事務所の協力を得て現地語に訳して同じ言語圏への配布するのは望ましい。
  • 合同評価という国際的な流れにどう対応していくかは重要である。計画段階でドナー間の調整、マルチとの調整があれば合同評価が活きてくる。
  • 案件の最終的な決定は政府が実施するものである。したがって、政府の政策評価との関係を踏まえるべきである。

(2)事務局より、「2次評価の実施」、「評価結果のフィードバック体制の強化に関する提言の策定」、および「「客観的な評価指標」に関する指針の策定」について事務局より説明が行われた。概要は以下のとおり。

各委員より出されたコメントは以下のとおり。

(2次評価の実施について)

  • 二次評価対象案件に関する現地調査については、もう一度全案件の報告書を読み2次評価した上で、現地調査の方法を決め、選択した案件について詳しく調査をするのがよい。
  • 2次評価に際し使い易いチェックリスト表を準備すると良い。また多くの人が2次評価をやることはむしろ望ましい。
  • 評価主任が行った2次評価の結果について、例えば下位10件について再度本委員会が見る方法もある。
  • 2次評価の作業に関しては委員会以外に依頼し、最終判断は委員会が担うと形にするべきである。

(評価結果のフィードバック体制の強化に関する提言の策定について)

  • 評価に対する認識・意識の問題は非常に難しい。評価に対するJICA内での権威付けが重要である。評価を真摯に受け止める姿勢が組織内部になければ、いい評価をしても生かされない。
  • 職員の評価に対する意識改革が必要である。評価の実施及び評価の活用も重要な業務の一部と考えるべきである。政策評価の議論の背景には、政府の諸活動に対する国民への説明責任を果たすという目的もあり、JICAにおいても、政府の一部を構成する独立行政法人として、評価は重要な業務のひとつである。
  • フィードバックのあり方を提言することよりも、そもそもフィードバックは仕事の流れの中で一体化されるべきものである。Plan-Do-Seeに分けるので誤解されるが、本来はPlan−Doの前提やそれと表裏をなしてはじめて評価が存在する。
  • 事業に関する評価結果がトップの意思決定にいかに活用されるかがフィードバックの技術的なこと以上に重要である。
  • 案件形成の段階においていかに評価機能を統合していくかが重要である。
  • 教訓や提言が誰に対するものなのかを明確化すべきである。そうすることで、評価の結果を整理し、提言を明確に提示することができる。次の段階として、現場の人が評価を事業実施の中でいかに活用しているかを議論したい。

−「客観的な評価指標」に関する指針の策定について−

  • 客観的指標は大切であるが、指標をあまり細かいものにすると生きた評価ができなくなる危険がある。
  • 指標については、タイプ毎または事業毎に指標を作成したほうが良い。

以上