外部有識者事業評価委員会 第12回会合の概要

1.日時:

平成19年2月19日(月)15時00分〜17時00分

2.場所:

独立行政法人国際協力機構 11GH 会議室

3.出席者:

牟田委員長、池上委員、磯田委員、杉下委員、林(寛)委員、三好委員及びJICA関係者(黒木理事、企画・調整部)

4.議事概要:

(1)事業評価年次報告書2006(案)について

事務局より、事業評価年次報告書2006(案)の掲載内容について説明が行われた。

これを受けて、各委員から出されたコメントは以下のとおり。

  • 本報告書は評価報告書としての内容が年々、整理されてきていると思われる。より質の高い報告書にするためには、今後は以下の5点について議論を進めてはどうか。
    1)被援助国側における評価結果の浸透状況
    2)被援助国の援助プログラムにおける日本の援助の位置付けについての分析
    3)プログラム評価における他ドナーとの合同評価のあり方
    4)事前評価の有無による終了時評価の2次評価結果の違い
    5)コスト効率性評価について
  • コスト効率性評価は困難なものと想定されるが、JICAとしての取り組みが求められる時期にある。長期的・短期的双方の効果について事例となるプロジェクトを選定したうえで、それをモデルに効率性評価を検討してはどうか。
  • 専門家人件費に見合った開発効果の発現事例や調査結果があればコスト効率性の説明は可能であり、今後、戦略的にリサーチしデータを蓄積することが重要である。
  • 技術協力は開発モデルを作成し普及させていくものであり、相手側のキャパシティ・ディベロップメントとも関係してくるため、コスト以外にも、どこまでをプロジェクト効果と判断するかが非常に困難である。従って、従来のようなコストベネフィットや単位コストの分析を用いるのではなく、技術協力やキャパシティ・ディベロップメントとは何かという概念を整理した上で、その効果を指標化していく必要がある。
  • 効果のすべてを測定することは不可能なため、当面は測定できる部分だけに絞り、その部分だけでも効率性が高いと説明できれば十分な説得力がある。
  • 報告書には、個別案件の評価事例とあわせて評価の視点も掲載すれば、評価の実施目的が理解しやすくなるのではないか。
  • 評価結果のフィードバックによって当該プロジェクトをどのように改善したかの記載のみならず、受益者にどの程度のインパクトがあり、技術協力がどの程度生かされているのか、相手国との関連を評価した記載もあれば望ましい。
  • 説明責任の観点から、事業評価年次報告書の内容を積極的に広くアピールして知らせる努力も必要である。

以上