UPSとの協力でワークショップ開催−ベトナム裾野産業の競争力強化を目指して−

2015年11月5日

ワークショップのバックドロップ

10月28日(水)、ベトナム日本人材協力センター(VJCC-ハノイ)は、世界最大のエクスプレスキャリアー及び貨物配送会社であるUPS(United Parcel Service Inc.)の委託を受け、「ベトナム裾野産業の企業の競争力強化」をテーマとしたワークショップを開催しました。これは、UPSがベトナムで実施している中小企業の能力強化活動の一環として実施されたもので、VJCCが書いたプロポーザルが採択され、実施に至りました。

また、このワークショップは、VJCCとベトナムのFIA(外国投資庁)の共催で開催され、両機関関係者及び関係企業39社から約100名が参加しました。

UPSベトナム社長 マクリーン氏

まず、FIAのノイ副長官からオープニングの挨拶があり、「ベトナムで裾野産業を育成するということは、中小企業を育成し、グローバルなサプライチェーンに参加させること。そのためには、ベトナム中小企業と外国企業との情報交換が必要。」とのコメントがありました。引き続いて、VJCCが設置されているFTU(外国貿易大学)のトゥアン学長から歓迎の挨拶があったあと、UPSベトナムのマクリーン社長が、「新技術や自由貿易協定で、国境の垣根がどんどん取り払われている今、より質の高い製品やサービスの提供が求められている。」と、裾野産業の競争力強化の必要性を説きました。

Phong Nam社 部長 クエ氏

プレゼンテーションに移ってからは、まず、MOIT(商工省)のSIDEC(裾野産業企業発展センター)のビンセンター長から、ベトナムの裾野産業の現状報告がありました。その後、UPSベトナムのホアマーケティング部長から、ロジスティク企業が中小企業に対して提供できる様々なサービスの紹介があったあと、ベストプラクティスとして、VJCC経営塾受講生の企業2社から事例紹介がありました。まず、経営塾に過去3名を送っているPHONG NAM社。同社はプラスティック製品をデザインから製造まで、一貫して提供している会社であり、日系企業にも部品を提供しています。同社のクエ部長は、グローバルサプライヤーになるためには、同社の経験から、「品質、納期、価格、アフターサービス」が必要であると述べました。また、第6期と第7期の経営塾に参加しているATTIndustrial社のビン社長は、中小企業の立場から、ベトナムの裾野産業の発展に必要と思われる8項目の紹介がありました。

参加者と講演者の記念写真

質疑応答においては、TPPのベトナム裾野産業に対する影響について質問があがり、UPSのマクリーン社長から、「大きな市場が開けたという意味では、大きなチャンス。このチャンスをつかむために、まず、TPPが自分のビジネスにどのように関わってくるか把握し、実効までには時間がかかるのでそれまでにしっかり準備をしてほしい。」との回答がありました。

参加者は終始熱心に聞き入っており、参加企業が今後自社の発展を考えていくうえで、非常に有意義なセミナーであったと思います。