ハイフォンで経営塾始まる〜26名の受講生が開講式に出席〜

2016年8月18日

【画像】 2016年8月2日(火)、ベトナム第3の都市ハイフォンで、第1期経営塾開講式が実施されました。「経営塾」とはベトナムの経営者育成のための長期ビジネス研修で、2009年からベトナム日本人材開発センター(VJCC)は、ハノイとホーチミンを対象に実施しており、既に214名の修了生を輩出しています。今回のハイフォンでの研修は、VJCCがハイフォン市からの依頼を受け、実現に至りました。

ハイフォン市からも多くの幹部が出席

 開講式では、まずハイフォン科学技術局のNguyen Van An局長から、今回の経営塾を含むハイフォンの人材育成計画について発表がありました。それによりますと、2015年から2020年に、ハイフォンの重要な産業及び公共事業の経営者180名、幹部・中間管理職を720名育成の予定で、費用として約120万ドルが想定されており、うち50%はハイフォン市が、残りの50%は受講生が負担予定です。

 続いて今回の研修の主催機関であるハイフォン人材育成協会のHoang Ngoc Tuan 副会長から、研修計画を立てるにあたり事前に実施したニーズ調査結果及び研修実施機関として、なぜVJCCを選んだかについて報告がありました。VJCC選択の理由としては、VJCCのカリキュラム・教授法・講師の他、多くの日系企業が進出しているハイフォンの企業に日本式経営を伝えたいと語りました。ハイフォン市としては、将来的には研修の成果として、企業の売上が3〜5%伸びること、またそれによってハイフォン市への税収が増えることも期待しているとのことです。

在ベトナム日本国大使館 永井公使挨拶

 日本側を代表して在ベトナム日本国大使館の永井公使からは、「今回のハイフォンでの経営塾の実施は、安倍首相が進めている“アジアにおける産業人材育成イニシアティブ”の一環として考えられ、ベトナムの裾野産業の発展にも繋がる。今後経済の国際統合が始まるが、是非経営塾で得た知識とネットワークを利用して、国際経済を牽引していってほしい。」とのメッセージがありました。また、JICAベトナム事務所の増田次長は、「今回の研修実施機関として、ハイフォン市がVJCCを選んだのは正に正しい選択。ハイフォン市の期待に応えるために、JICAとしても今後も中長期的に支援を続けていきたい。」と語りました。

    受講生代表 Kien氏挨拶

 
 第1期ハイフォン経営塾の塾生は24社から26名が集まりましたが、塾生を代表してシグナリング機器製造会社のDong Trung Kien副社長は、「日本式経営を学べることに、大変感謝している。塾生26名は、様々な形態の組織から業種も全く異なるが、ネットワークを構築し、多くを学び、国や市に貢献するとともに、それぞれの企業の従業員の生活向上につなげたい。」と語りました。

  ハイフォン人民委員会副委員長 
       Binh氏挨拶

 最後に、ハイフォン人民委員会のNguyen Xuan Binh副委員長は、「ハイフォン市においては、高速道路や港湾の整備が続いており、これらは日越政府の協力の表れと考えている。経済発展も順調で、2016年の1月から7月までの直接投資は20億USDを超え、これは過去5年間の直接投資の半分にあたる。2016年上半期のGDPは、前年同期比の45%アップである。中央政府からハイフォンの成長は期待されているが、この発展を維持していくには、質の高い経営者の育成が必須であると考えている。今回の経営塾の実施にあたっては、ハイフォン人材育成協会及びJICA,VJCCに対して感謝の意を表したい。塾生には自覚を持って、研修に臨んで欲しい。」と語りました。

 ハイフォン市の経営塾に対するやる気と期待を感じた熱い開講式となりました。

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                  出席者全員の記念写真