カンボジア農産業ビジネス研修の実施

2016年9月23日

日本の精米・袋詰め工程だけではなく水田管理にも感銘を受けた参加者たち
(9月12日石川県のJA白山にて)

酒造が管理する水田で説明を聞く参加者たち(9月13日 福井県の久保田酒造にて)

 

 カンボジア日本人材開発センター(CJCC)は、農産業分野に携わるカンボジア企業家及び政府関係者24名を対象に、北陸と関東で9月10日から18日まで農産業ビジネス研修を実施しました。

 JICA北陸の訪問から始まった本研修では、JA白山で米の精米から出荷までの工程を学ぶと共に、北陸近畿クボタで田植機やコンバインなどの農機を視察しました。また、醤油、酒、煎餅など米を使った加工品を作る工場や店舗を訪れ、これらの製品の製造・包装・販売について活発な質疑応答が行われました。卵の生産においては、2社の規模の異なる工場を視察し、「大規模ならではの機械化による効率化」と「小規模ならではの製品のブランド化」という異なるアプローチを学びました。研修最終日には、石川県と福井県の道の駅と東京のアンテナショップを訪れ、地方で生産された作物や製品が首都でどのように販売されているか見学しました。

昔ながらの煎餅焼きを体験する参加者たち(9月15日埼玉県の草加煎餅 丸草一福にて)

東京での日本企業との交流会でスピーチを行うカンボジア大使(9月15日)

 

 金沢と東京ではそれぞれ農産業関係者及び日本企業との交流会が行われ、中小企業基盤整備機構の後援により9月15日に行われた東京の交流会には、CHEA KIMTHAカンボジア大使及び富吉賢一JICA理事も出席され、30社以上の日本企業とのネットワーキングが行われました。この交流会では、お互いの名刺交換を行うとともに、今後のビジネスに向けての情報交換が行われました。カンボジアの参加企業からは、翌月にカンボジアを視察する日本の会社との面談の約束が成立したとの具体的な報告もありました。

 9月18日にカンボジアに帰国した参加者はカンボジア生産向上クラブ(Khmer Production Promotion Club)を立ち上げ、今後も交流を続けることとなっています。また、商業省からの参加者を中心にカンボジア版アンテナショップ(Province-based Production Shop)の構想も提案されています。
CJCCは本研修から得た経験と日本企業とのネットワークを基に、セミナーなどを通じて今後も農産業に関わるカンボジア企業を支援していきたいと思います。

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