VJCC(ハノイ)で経営塾クラブ「フォローアップセミナー」開催   〜人気衣料品ブランド”CANIFA”社長に聞く〜

2016年11月22日

 土曜日にもかかわらず約50名が参加

 

 ハノイ経営塾クラブ主催による、「フォローアップセミナー(2016・11・19)」が11月19日(土)にVJCCハノイにて開催され、これまでの経営塾参加者など、約50名が集まりました。

 ベトナムでは、11月20日が「教師の日」に当り、ハノイでもここ数日間、教師や恩師に贈る黄色や赤の様々なフラワーアレンジメントが街の至る所に溢れ、華やいだ雰囲気に包まれており、フォローアップセミナーでも経営塾クラブから、講師の河口先生やVJCC関係者に花束が贈られました。

    ”CANIFA”のハイ社長

 この日、発表した経営塾クラブのメンバーは、”CANIFA”のブランドで、女性・紳士服から子供服など幅広く衣料品製造・販売を手掛けている「フォアン・ドゥオン社」のハイ社長。1997年に設立された同社は、2001年に豊富なデザインと高品質なブランド”CANIFA”を立ち上げ、今やベトナムの人気衣料品ブランドとして人々の間に定着しています。店舗数もハノイ他周辺地域で数十を超えています。ハイ社長は2004年からVJCCのビジネスコースに参加し2010年に第2期生として「経営塾」に参加しました。また、同社のスタッフもVJCCのビジネスコースに数多く参加しています。ハイ社長自らが、考えるビジネスの重要要素は、「プラン」、「BSC(バランス・スコア・カード)(注)」、「企業文化」、「製品の品質価値」そして「人材」だと言います。

   ハイ社長に質問する塾生

 

 今回のハイ所長の発表は、VJCCで学んだ「BSC」が中心となりました。「BSC」の導入によって、戦略を作成し、それを社内に定着させるのに役立ったとのこと。しかし、「BSC」の運用がうまくいくには3年かかり、その秘訣のひとつは、KPI(目標達成度合いを測る指標)をシンプルにすることとのことでした。

ハイ社長の発表に対してコメントする河口講師

 

 ハイ社長の発表を受け、経営塾の河口講師は、「BSCの利点は、企業としてバランスの取れた、抜けのない経営ができる点にある。企業運営には、プロセスと人材が重要であり、この関係が社員全員に共有可能になる」と説明。

 さらに、企業経営に当たっては、経営者の「思い」が重要。何かが起きた時にどう対応するかが経営戦略、つまりチェスで言う「定石」。経営戦略・理論とは、用いたから成功するとは限らない。しかし、成功する確率は上がる。また、経験値的には、成功する確率が高い。と語りました。また最近のBSCの動きとともに、新しいリスク・マネジメントに対応する時期がベトナムにも来ていると話し、知識とは留まることなく成長していくもの。
これが「Learning」ということであり、いつも、このことを心に置いて成長を続けて欲しい、と締めくくりました。

経営塾クラブ代表から水野チーフアドバイザーに花の贈呈

 
 これを受けハイ所長は、経営塾で学ぶうえで大切なことは、企業経営で必要なことは何か、改めて自分で考えてみること。必ずしも今までのやり方を捨てて、新しく学んだことを導入するということではない。2010年に経営塾に参加した時、経営には何が必要か考え、それを実行した。当時は、数年後の今の成功は想像すらしなかった、と語り、参加者から大きな拍手を浴びていました。
                                        (了)

注)BSC(バランス・スコア・カード): 従来の財務中心の業績管理手法の欠点を補うもので、「戦略、ビジョン」を4つの視点(財務、顧客、業務プロセス、学習と成長)で分類し、その企業の持つ戦略的ビジョンにつながる、財務的指標と非財務的指標を設定するもの。