千葉県調査団がYAMAGUCHIベトナム社を訪問

2018年12月4日

工場見学の様子。熱心に観察し、社長に質問する姿が見受けられた。

 2018年11月23日、千葉県ベトナム経済調査団が経営塾10期卒業生であるミン社長が経営するYAMAGUCHIベトナム社を訪問しました。同調査団には、千葉県商工労働部、民間企業9社、銀行・経済団体関係者から19名が参加されています。

 YAMAGUCHI社は日本の名前ですが純粋なベトナム企業です。2011年2月に40万USDを投じて設立された工場面積3,000㎡(2015年度から現在まで)の機械部品の製造会社で、主に3つの事業、①精密機械部品提供②工場向けの消耗品提供③科学技術設備提供、を展開しており、ベトナム日系企業だけでなく直接日本の企業とも取引しています。また経営塾の教えを活かし、「幸せをつくる」という企業理念をもとに「価値を提供する」というミッションを掲げ、以下6点、①人(顧客・従業員・社会)に対する責任、②冷静さ(不撓不屈の精神で、常に謙虚に長く歩みを進めること)、③パイオニアであること、④各自の想像力発揮を勧めること、⑤利益⑥幸福を生み出す責任を持つこと、のコア・バリューを定めて邁進しています。その成果は数字にも如実に表れており、2011年設立当初の総従業員数6人(工場:3人)、導入機械数8台、総売り上げ50万USDに対して、2017年時点では総従業員数200人(工場:165人、男女比:男性45%女性55%)、導入機械数102台、総売り上げ650万USDを超えるなど、目覚ましい成長を遂げています。他の経営塾企業と共同でベトナム発の車両生産を目指すビングループに治具を納品することにも成功しています。更に、従業員が安全なものを食べられるようにと農場を購入し有機野菜を生産するなどユニークな活動も行っています。

 当日は、ミン社長からのご挨拶と企業説明、質疑応答の後に工場見学が行われました。質疑応答では、離職率や給料等の待遇面、エンジニアの技術レベル、原材料の仕入れ先等、より詳細な質問が活発になされ、特に同社の従業員の平均年齢が23歳であることが明らかになった時には場がどよめきました。工場見学では、参加者が真剣な眼差しで隅々まで観察し、熱心にメモを取ったり質問したりと貪欲に学ぼうとする様子が見て取れました。今回の訪問を通して参加者からは、「5Sができていた。また想像をはるかに上回る、精度の高い製品の生産技術をベトナム企業が持っていることに驚いた。」や、「ベトナムの勢いとポテンシャルを肌で感じることができた。」など、予想以上のベトナムの発展と成長に驚嘆し、将来に期待する声がたくさん挙がりました。
 
 これから、日本とベトナムの経済面でのつながりはますます強くなることが予想されます。今回の機会が、お互いが理解を深めてより緊密な関係を築くことの一助になることが期待されます。

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工場の前で記念撮影。社名のロゴの下には調査団を歓迎する横断幕が。