国土交通省による日本企業とベトナム企業とのビジネスマッチングの開催

2020年1月17日

 2019年11月26日(火)、Hotel du Parc (旧ホテルニッコーハノイ)にて国土交通省主催による日本企業とベトナム企業のビジネスマッチングが開催されました。日本企業10社のベトナム(ハノイ)訪問団は、国土交通省がASEAN諸国におけるインフラ整備への大きな需要を背景に、日本の中堅・中小建設企業の海外進出を支援する目的で計画された訪問団です。同省は、日本国内6か所で海外進出戦略セミナー(進出企業の経験談の共有や支援策の説明)を開催し、海外市場で通用する技術やノウハウを有しているものの、進出に当たっての知識・経験不足が課題となっている企業を選出しました。今回のベトナム訪問では、日本政府関係機関や企業等への訪問、現地視察を通じて現地実情の把握の機会が提供されており、同行程の一環としてビジネスマッチングが組まれました。

国土交通省の岩本様によるご挨拶

ビジネスマッチングの様子

 ベトナム人材開発インスティチュート(以下VJCC)は、日越の企業間のビジネスマッチングが効果的に実施できるように、事前に日本企業10社の情報を経営塾(※)卒業企業に流し、インフラ部門で関心を示す企業15社を選出しました。当日は、はじめに国土交通省の岩本則雄建設産業海外ビジネス推進官から協力機関と共に参加者への感謝の意が表され、「日本から参加する企業は、優れた技術やノウハウを持った企業が選出されています。ベトナム企業と可能な範囲で協力していただいて事業を行いたいという気持ちで本日参りました。本日、両企業が有意義な時間になることを期待します」と日越のビジネスマッチングの期待の言葉が寄せられました。その後、日本企業10社とベトナム企業18社(内経営塾企業は13社)がそれぞれ自社企業の概要を説明し、続いて、日本企業のテーブルに呼び込み式で、ベトナム企業が望んでいること・日本企業がベトナムに進出したいことなどが通訳を通して深く話し合われました。自社企業の紹介の時からターゲットとなる企業名に言及し、スムーズにビジネスマッチングに持ち込み、深くコミュニケーションをとっている経営塾企業もありました。このビジネスマッチングに参加されたベトナムの建設会社の男性からは、「今回は私と同じ建設会社の参加は全体的に少なかったが将来、共同事業が出来るかも知れない、そういうビジネスマッチングを行う事が出来た」と述べられました。また日本の土木会社の男性は「ベトナムの現状について具体的な情報を知ることができた。ベトナムは想像以上に建築関係の仕事が増加しており、ベトナム企業との共同事業ができる可能性がある。日本のインフラ関係者の多くは、今後ベトナムなどの東南アジアに進出する傾向があるので市場調査をしっかり行い、ビジネスチャンスを狙いたい。」とベトナム進出への希望を語られていました。さらに経営塾出身のベトナム企業は、日本式経営を自社で行っていることやベトナムのインフラ整備の大切さなどを伝えていました。一方で日本企業はベトナム企業に期待していることを熱く語られていました。

ビジネスマッチングの様子

 双方とも様々な考えや思いがありましたが、ベトナムのインフラ事業をいかに発展させるかという目的は同じです。実際に国境を越えてお互いのビジネスが結びつくためには、越えなければならない様々なハードルがありますが、今回のビジネスマッチングでは、直面する課題をお互いに一つ一つ解決しようとする熱意が感じられました。今後もVJCCは、日本式の経営を学び日本の企業との取引を望んでいる経営塾企業にこのような出会いの場を提供し、一層、日越の絆が深まるよう努力していきます。

(※) 経営塾とは、企業経営者・幹部を対象とした日本式経営の研修。ベトナム産業界を牽引する経営者の育成を目的としており、月5日間の授業及び実践を約10ヶ月にわたり行います。VJCCの看板事業でもある本プログラムは2009年に開始され、今年で10年目を迎えます。