中等理数科教育強化計画(Strengthening Mathematics and Science Education(SMASE))

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SMASSE現地国内研修の様子

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SMASSE成果品の教科書授与式の様子(在アンゴラ日本大使よりア国教育省副大臣へ)

  • 種別:技術協力プロジェクト
  • 案件名:中等理数科教育強化計画プロジェクト
  • 実施地域:ルアンダ州、カビンダ州、マランジェ州、ウアンボ州、ビエ州の各州都
  • 協力期間:2009年9月〜2012年3月
  • 実施機関:アンゴラ教育省

1974年から2002年まで続いた内戦終結後、アンゴラは急速な復興を遂げているが、各セクターで人材育成が急務となっている。教育セクターにおいても人材育成は喫緊の課題で、既存の教員の質の問題に加え、教育機会の拡大による教員数の不足という2つの課題を抱えており、早急な対策を必要としている。このような中「ア」国教育省は、「教育システムの改善に向けた統合戦略(2001年—2015年)」に基づき、2008年には当時の教育副大臣(現大臣)を中心とした中等理数科教育強化に向けたタスクフォースを設立し、JICA技プロによる中等理数科教育強化プロジェクトを開始した。

本プロジェクトは、日本の協力によって形成されたSMASE-WECSA(注1)のネットワークを利用して教員の能力向上を目的としてケニアCEMASTEAにおける第三国研修に派遣した後、ウィラ、ウワンボ、カビンダ、ルアンダ、マランジェの5つの州において中等理数科教員強化国内研修が実現し、地方研修トレーナーに研修カリキュラム作成やASEI/PDSI教授法(注2)に係る知見や研修講師としての経験が蓄積されたのみならず、総計401名の研修参加教員にもASEI/PDSI教授法や実験実習手法が教授されており、現在中等理数科教員強化は「ア国の教員養成国家政策」の中のモニタリングプログラム(教育・教員の質向上)の中で重要課題として位置づけられている。また、JICAの援助重点分野「経済開発」でも、開発課題「開発に資する人材育成」の教育プログラムに位置づけられ、特に中等理数科教員強化を通じた教育の質の向上は開発課題の一つに挙げられており、先方の期待は大きく、両国関係強化の点においても有効性は高いと言える。

2012年3月に同技プロが終了した後、その成果品として5科目(教授法・数学・化学・生物・物理)の教科書が策定され、教育省副大臣への授与式の様子が全国に広く報道された。

今後は「ア」国政府として、このプログラムをさらに発展させ、パイロット州から全国への展開を計画しており、右実施に向け、「ア」国教員育成機関である教育省下の教員養成国立訓練院の能力強化が求められている。

(注1)SMASE-WECSA(Strengthening of Mathematics and Science Education in Western, Central and Southern Africa)32ヵ国・1地域が加盟(2011年11月現在)ケニアでの理数科教育支援の経験(教授法コンテンツ【ASEI/PDSIアプローチに基づく授業改善】、現地人材の育成、継続的な現職教員研修システムの構築等)をアフリカ諸国で共有することを通じて、理数科教育の振興および域内連携の促進を目的として設立されたネットワーク

(注2)ASEI/PDSI(Activity, Student-centered, Experiment, Improvisation/Plan, Do, See, Improve)