中核病院医療機材整備計画

背景と目的

旧セルビア・モンテネグロは、90年代のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争やコソボ紛争等により国際的に孤立し、またその間課されていた包括的な国連制裁等の影響により、既存の施設の維持管理や新たな設備投資が行われなくなり、特に保健医療予算が大幅に削減されたため、各レベルの医療機関の施設及び機材は1990年代以降ほとんど更新されていませんでした。

モンテネグロは2006年6月にセルビア・モンテネグロから独立しましたが、同国で唯一の第三次医療施設であるクリニカルセンターでも機材の老朽化と不足から、約2割の患者が国外の医療施設に移送されています。モンテネグロ独立に伴い、このような状況は患者や保健医療財政にさらなる負担を強いることになることから、同国内の医療サービスの改善が必要です。

この供与により、モンテネグロ全住民に対する医療サービスの質が向上すること、現在国外に移送している患者(7,115名)のモンテネグロ国内での診断・治療が可能となります。

  • 交換公文(E/N)締結日:2006年12月20日
  • 供与限度額:4.41億円
  • 実施機関:モンテネグロ保健省

事業概要

ポドゴリツァ・クリニカルセンター(三次医療機関)、ニクシッチ総合病院、コトール総合病院(二次医療機関)に対するX線診断装置、手術台、人工呼吸器等の医療機材の供与を行う。