セルビア向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:ベオグラード市で持続可能な環境に優しい公共交通システムの実現を目指す

2020年8月11日

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署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、8月7日、ベオグラード市にて、セルビア共和国政府との間で、技術協力プロジェクト「ベオグラード市公共交通改善プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions:R/D)に署名しました。

本事業は、ベオグラード市民の主要な移動手段である公共交通機関(バス、トラム、トロリーバス)の運行の効率化や運賃収受の改善などを行います。本事業により、公共交通部門の市財政への負担軽減を図り、環境基準を満たした車両設備の更新、電気バスの導入等を促進することで、同市が目標とする環境に優しい公共交通システムの構築を目指すものであり、SDGsゴール11に貢献します。

ベオグラード市では、2002年に日本が無償資金協力で供与したバスが、今も市民の足として親しまれています。しかしながら、地方部や他国からの移住により、都市部の拡大や人口の増加が進む中、市の公共交通部門の財政は厳しく、適切な交通・路線計画の整備や車両・施設の更新が課題となっています。近年、同市は環境保全を重要課題とし、電気バスや新たな交通システムへの移行を決めましたが、それらに必要な財源の確保のためには、運行の効率化や運賃収受率の改善を図ることが求められています。

本事業では、日本の長年の公共交通の運行管理におけるノウハウの提供のみならず、欧州近隣地域の公共交通プロジェクトでの知見活用も検討していきます。

案件基礎情報

国名

セルビア共和国

案件名

ベオグラード市公共交通改善プロジェクト

実施予定期間

36か月

実施機関

ベオグラード市公共交通部

対象地域

ベオグラード市

具体的事業内容(予定)

ベオグラード市公共交通部に対して専門家チーム派遣や研修を行い、需要の実態に応じた路線・運行計画の策定支援や、無賃乗車防止の活動促進等を含めた運賃収受システムの整備・改善を支援する。