青年海外協力隊事務局長挨拶

2021年11月17日

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ベリーズにおける青年海外協力隊の活躍は、2000年12月に派遣された3名の隊員から始まりました。以来、20年目の節目の年を迎えた現在まで、延べ191名の隊員が、教育、青少年育成、スポーツやコミュニティ開発、環境問題や社会福祉など幅広い分野において、ベリーズの人々と共に取り組みを重ねてきました。その活動姿勢は、一方的な技術や知識の伝達ではなく、相互理解を深め、信頼関係を築きながら共に歩むというものです。こうした信頼に基づく歩みは、地域の課題解決だけでなく、多くの隊員経験者とベリーズの人々のその後の人生を多様性に満ちたものとし、一人ひとりの可能性を広げることにも繋がりました。ベリーズで活動した隊員の中には、任期終了後再びベリーズに戻り、教員として就職した方々や、観光事業を起業して日本をはじめとした世界の人々とベリーズを繋ぐ役割を果たしている方もいます。また、現地NGOを立ち上げて環境問題等の課題に地道に取り組んでいる方もいます。一方、帰国後に日本の教育現場や地域社会においてベリーズを紹介する取り組みを行う方々もおり、2020年東京オリンピック・パラリンピック大会のホストタウン事業でも中心的な役割を果たすなど、多くの隊員経験者が、日本とベリーズ双方において、両国の架け橋となって活躍しています。

新型コロナウイルスの世界的感染拡大により、2020年3月から4月にかけてJICA海外協力隊の一斉帰国がなされ、今もなおベリーズを含む多くの国々で隊員の再渡航が実現していません。私たちは、世界のあらゆる場所で新型コロナウイルスとの闘いが続く、厳しい状況の中でベリーズJICA海外協力隊派遣20周年を迎えました。この記念すべき1年を共に祝う皆さまの中に、現地で活動する隊員の姿を見ることができないことを大変残念に思いますが、その一方で、我々JICAは、今この時も、ベリーズへの隊員の渡航再開に向けた歩みを止めていないこともあらためてお伝えさせていただきたいと思います。そしてこれからも、JICAボランティア事業を通じて、ベリーズと日本のために力を尽くしたいという志ある方々を後押しし、ベリーズの更なる発展、両国の友好の深化に向けて、皆さまと共に歩んでまいりたいと思います。

独立行政法人国際協力機構(JICA)
青年海外協力隊事務局長
小林 広幸