無償資金協力「第二次賃耕のための農業機械整備計画」により農業機械400台をブータン国政府へ引渡しました

2022年3月25日

2022年3月、ブータン国政府がトラクター(注)などの農業機械を持たない農家のために行っている農作業の請負サービスを支援するため、歩行型トラクター250台や乗用型トラクター30台などの農業機械をJICAからブータン国政府へ供与しました。

ブータンは国の大部分が険しい山岳地帯のため、農家1戸当たりの平均経営面積は約0.9haと小規模で、主食であるコメの単収は4.2トン/haとアジア平均の4.8トン/haを下回り、コメの自給率は50.3%に留まっています。一方、若年人口の都市部への流出により、農村部の労働力不足や高齢化が深刻です。このため、農業の機械化はブータンの農業にとって不可欠であり、JICAはこれまでも食料増産援助や貧困農民支援(2KR)を通じて歩行型トラクターを供与したほか、技術協力プロジェクトやJICA海外協力隊の派遣を通じて農業機械化に係わる技術の確立を支援してきました。

引渡し式では、JICAブータン事務所の渡部所長が事業に携わった人々への感謝とこれらの機材が有効に活用されてブータンの人々の栄養改善や農家の生計向上への期待が述べられました。

また、イェーシー・ペンジョー農業森林大臣からは日本国民への深い感謝の意が示されました。また、ブータンでは新型コロナウィルス感染症を防ぐため食料輸入を停止したことがあるため、農産物をブータン国内で自給していくためにもこれらの機材をすぐに全国へ展開して農家の役に立つよう使っていくとの決意が述べられました。

当日は、農業機械のスペアパーツを製造する工房ではいつも通り業務を続けており、日本から派遣されたJICA海外協力隊はブータンの技術者と一緒に金属部品の加工や溶接作業に取り組んでいました。

農作業の請負サービスには、こうしたスペアパーツの準備や提供が不可欠であり、引き続きこのような技術の改善にも取り組みます。

(注)水田や畑を耕(たがや)したり、収穫物を運搬するなどの作業に使用される農業機械。歩行型と乗用型がある。

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引渡書への署名

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農業森林大臣のあいさつ

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JICAブータン事務所長のあいさつ

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コンバイン(左)と小型トラクター(右)

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小型トラクターへのお祈り

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スペアパーツの見本

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穴開け作業

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溶接作業