帰国研修員のその後と感謝

2020年11月26日

私はオレレビレ・モロペ、2010年、プリンセスマリーナ病院で助産師として働いていた時、能力強化のため日本での短期研修「母子保健」コースに参加しました。参加の目的は、市民への母子保健サービスの向上のため研修で得た知見を同僚と共有し、新たに開始された妊産婦教室の推進を強化することでした。当時ボツワナでは、リプロダクヘルスが紹介されているにもかかわらず乳幼児の疾病罹患率、死亡率が記録的に高い時期で、それにより、妊産婦、乳幼児の死亡率の低下に貢献することが期待されていました。

研修では妊産婦への情報提供と教育の重要性が示され、日本の出産前教室では妊産婦とそのパートナーに対して、妊娠中、出産時、産後のケアと育児に関する情報提供や必要な知識やコミュニケーション法などが教えられていました。
帰国後、2名の助産師と理学療法士が中心となってタスクチームを立ち上げ、プリンセスマリーナ病院での出産前教室が開始されました。そして、妊婦自身の産前ケアの知識が向上し適正な健診を行うことで、いくつかの効果が見られました。中でも新生児の傷病罹患率の低下が観られ死亡率の低下につながりました。しかし、患者が参加したがらない、十分な教材が準備できないという困難もありました。
その後、私は母子保健の改善を更に推進するため民間へ移行し、情報提供や患者への教育がされていない他の医療分野とも協力して患者に情報や教育等のサービス提供の導入のために尽力してきました。
JICAの研修プログラムに参加したことをきっかけに、思いやりと愛情を持って患者に適切なサービスを提供するという目標を持つことができ、それによって様々な素晴らしい経験をしてきました。JICAの研修参加ができたことに今でも感謝しています。

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日本での研修コースにて

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同じコースの研修参加者と一緒に

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クリニックでの指導の様子