技術協力個別案件(専門家)「選挙管理委員会能力強化アドバイザー(主権者教育)-学校や地域の人々に、選挙の制度や意義に関する知識を届ける-」

背景と目的

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選挙が公正に安定して実施されるためには、選挙管理機関による円滑で信頼に足る選挙管理事務、選挙や民主主義に関する人々の一定の理解などが不可欠であり、長期的な取り組みが必要です。特に有権者の理解は選挙の基盤を成すため、選挙に関する啓発などを通常時や選挙時期に行う「主権者教育」は選挙管理機関の重要な任務のひとつとなっています。
本事業「選挙管理委員会能力強化アドバイザー(主権者教育)」では、カンボジアの選挙管理委員会による常時啓発活動(学校や地域に出向いて行う出前授業等)の実施運営体制の強化を支援し、同国における選挙に関する人々の理解増進に取組んでいます。

事業概要

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日本では、選挙管理委員会が学校や地域に出向き、「選挙出前授業」を実施しています。この日本の経験とノウハウを基に、本事業では、以下のような協力を通じて、カンボジア選挙管理委員会の常時啓発活動の実施運営体制の強化に取り組んでいます。

  • 出前授業の内容づくり
  • 職員のプレゼン能力強化
  • 啓発用グッズの作成
  • 年間実施計画の策定
  • 全国展開へ向けた実施運営体制整備
  • 経験共有セミナーの実施

事業ハイライト

出前授業では選挙の意義や制度について選挙管理委員会が講義を行い、参加者からは多くの質問が寄せられます。また、スマホを活用したオンライン選挙クイズが行われ、能動的に考え、楽しみながら学べる内容となっています。選挙管理委員会の努力の結果、出前授業は各州に広がり始め、選挙がない時期にも継続的に実施される体制作りが進んでいます。選挙監視を行う現地のNGOは、「特に地方において、人々の選挙に関する知識は限定的。民主的なプロセスとは何かを理解していく助けになる」とコメントしています。

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