所長あいさつ

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JICAカメルーン事務所のホームページにようこそ!2017年4月にJICA事務所長として着任しました増田淳子です。どうぞよろしくお願いします。

日本では主にサッカーを通じて知られている中部アフリカの国カメルーンは、日本の約1.25倍の国土(475,440平方キロメートル)と約6割の人口(約2,000万人)を擁し、大西洋に面するギニア湾に位置しています。フランス語と英語が公用語で、民族集団は270以上にのぼり、気候面では、南部の熱帯雨林気候から北部に広がるサバンナ気候やステップ気候まで多様性に富んでいることから、「アフリカの縮図」とも称されます。他方で、カメルーンの多様性は、裏を返せば開発の地域格差にもつながっており、均衡のとれたインクルーシブな成長の実現がこの国の開発課題になっています。

一人当たり国民所得は約1,200ドル(2016年、世銀アトラス方式)で低・中所得国に位置づけられ、原油、天然ガス、鉱物資源などに恵まれているほか、豊富な降雨量を背景に、木材、カカオなどの生産も盛んであり、これらは日本にも輸出されています。近年、年平均5%以上の経済成長を達成してきたカメルーンは、産油国6カ国からなる共通通貨圏「中部アフリカ経済通貨共同体(CEMAC)」の中で比較的堅調な経済運営を続けてきたものの、近年の国際的な原油価格の下落を受け、産業の更なる多角化と非石油セクターの成長促進が急務とされています。

カメルーン政府は2035年の新興国入りを目指す戦略目標を掲げ、運輸や電力等のインフラ開発、生産セクターの近代化、地域統合の促進、能力開発と市場の活性化を通じた雇用促進、ガバナンスの強化などに取り組んでいます。

上記の課題に対するカメルーン政府の努力を支援すべく、日本政府は、1)教育を中心とする人的資源開発、2)中小企業振興を中心とする経済開発、3)農業・農村開発、をカメルーンに対する開発協力重点分野に位置付けるとともに、中部アフリカ広域の裨益を念頭に、電力や運輸分野の広域インフラ整備や、世界第2位の熱帯雨林面積を誇るコンゴ盆地の持続的な保全支援などにも取り組む方針を掲げています。

JICAカメルーン事務所は2006年度に拠点を開設した若い事務所ですが、円借款、無償資金協力、技術協力など、様々な協力手法を組み合わせて上記方針に則った協力を行っており、協力規模も年々拡大しています。無償資金協力では全10州に約120校の小学校を建設しており、「日本の学校」として国民に広く知られています。技術協力では、稲作振興支援や、日本企業で培われた品質・生産性向上アプローチ(カイゼン)に基づく中小企業振興支援など、日本の知見や強みを生かした能力強化支援を展開しています。中部アフリカ広域の課題に対しては、円借款を通じた国際回廊整備や、中部アフリカ森林協議会(COMIFAC)との連携による持続的な森林資源管理支援などにも取り組んでいます。カメルーンに対する青年海外協力隊派遣事業は2016年に10周年を迎え、累計派遣実績は130名以上(2017年7月時点)に達します。

近年は、日本の大学や中小企業、NGO等との連携事業なども展開しており、今後も日本でカメルーンに関心を持って下さる方々の裾野がさらに広がるよう、努力してまいる所存です。

JICAカメルーン事務所は、カメルーンに加えて、ガボン、チャド、中央アフリカ、赤道ギニア、サントメ・プリンシペも兼轄しており、日本にとっては未知なる魅力に溢れた地域が広がっています。

引き続きJICAカメルーン事務所の活動に関心をお持ちいただき、応援いただければ幸いです。

カメルーン事務所長
増田淳子