2024年7月31日
この度、JICAチリ支所に着任しました武田浩幸と申します。
チリは、日本から地理的には遠い距離にありますが、日本と同じく太平洋に面し、基本的な価値観を共有する国であり、資源、エネルギー、水産分野等で日本と密接な関係を有している国です。
また、当国は、中南米諸国の中でも平均所得が高く、経済社会が相応に発展している国ですが、両国間には、これまでの長い協力を通じて築き上げられた強固な信頼関係が構築されています。このため、日本は、チリを対等な戦略パートナーとして1999年に締結された「日本・チリ・パートナーシップ・プログラム(JCPP)」(2018年「JCPP2030」 締結)に基づき、チリ政府機関等と共に近隣諸国に対する支援を推進する「三角協力」を主軸とした協力を実施するとともに、チリの技術水準の高さから高度な科学技術協力により、両国間のさらなる関係強化を図っています。
特に両国は地震、津波、水害等の自然災害国でもあることから、「KIZUNA」プロジェクトに代表される防災対策、サーモンや帆立養殖の地域産業振興に貢献した水産分野での協力、高齢者支援、障がい者支援等、様々な分野での協力とその後の各関係機関の自立発展が、両国の関係をより強固にしてきました。また二国間の科学技術協力では、環境分野を中心に実施されていますが、現在は水産廃棄物を価値ある資源として、再利用し、高付加価値バイオ製品を開発・生産することで循環型経済の構築を目指す協力が行われています。
さらには、草の根的な協力としては、保健医療・社会福祉、日本の伝統武道、環境等の分野で海外協力隊の方々にご活躍いただいており、しっかりと「人の絆」を作っていただいています。
近隣諸国と比較し、当国の日系社会は必ずしも大きいものではありませんが、日系人の方々も各方面でご活躍されているため、是非、未来志向での日系人材の方々を通じた日本とのネットワークづくりも推進していきたいと思います。
これまで両国間で築き上げられたアセットと絆を大切にしながら、日本とチリのさらなる関係発展に全力を尽くしたいと考えています。皆様のご支援をよろしくお願いします。
国際協力機構チリ支所 支所長 武田 浩幸
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