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2025年3月に着任いたしました所長の井上琴比です。
ジブチは、アフリカ東部のいわゆる「アフリカの角」地域に位置し、面積は四国の1.3倍、人口は約100万人の小さな国です。ジブチは日本からは遠い国ですが、「世界で最も暑い国」として聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。ジブチでは、盛夏の7月の平均最高気温は40度を上回り、内陸部ではそれ以上の暑さとなります。また、ソマリア沖・アデン湾の海賊対処行動に従事している自衛隊が、海外では唯一の拠点を置いている地としても、ご存じの方がいらっしゃるかもしれません。
ジブチ自体は小さな国ですが、紅海の入り口であるアデン湾に面しており、エチオピアをはじめとする内陸国と海を繋ぐアフリカ大陸の玄関口としての役割を担っています。紅海を通じてヨーロッパや中東とアジアを結ぶ海上交通の要衝でもあり、地政学的に重要な場所に位置しています。
不安定なアフリカの角地域に位置しながら、政治的安定を保っているジブチは、その地理的な特性を生かし、港湾を中心とした物流業を主要産業として経済成長を続けています。一方で、首都のジブチ市に人口の70%が集中し地方の開発が遅れていることや、自然環境が厳しく、食料自給率はわずか3%にとどまるほか、近年は気候変動による洪水や干ばつなどの影響も受けるなど、様々な課題も抱えています。
日本とジブチは、ジブチが独立した翌年の1978年に国交を樹立し、日本のジブチへの経済協力は1982年に始まりました。JICAは、2000年にジブチに青年海外協力隊事業を展開する拠点を設置し、その後、2005年からはJICA事業全体を担当する事務所となり現在に至っています。
日本はこれまで、人々の生活の改善につながるような社会インフラの整備や、社会サービスの向上のための人材育成など、様々な分野での支援を行ってきています。例えば、1995年に無償資金協力で建設されたジブチ市の「フクザワ中学校」は、当時の教育大臣が福澤諭吉にちなんで命名し、今では国内有数の優良校として知られています。さらに、2024年に無償資金協力で建設された小中併設校は、「新渡戸稲造基礎教育学校」と命名され、日本とジブチの友好の新たな象徴となっています。また、ジブチの海上保安庁に相当する沿岸警備隊に対しては、その組織設立当初から、日本の海上保安庁の協力を得て支援を行ってきていますが、当初 100人程であった人員が 2022年 には2000人にまで増員した組織として強化されています。
JICA海外協力隊のボランティアも、2000年の派遣開始から今年(2025年)で25周年となりますが、これまでに170名以上の隊員が、厳しい気候の下で、ジブチの人々とともに草の根での活動を展開してきています。
JICAは、これまで多くの方のご協力を得ながら、ジブチの様々な開発課題に対する支援を通じて、ジブチの安定的な発展に貢献するとともに、日本とジブチの二国間の良好な関係の強化にも貢献すべく、取り組んでまいりました。今後も、これまでの協力をさらに発展させるべく、引き続き事務所一同、尽力してまいります。皆さまに、ジブチやJICAの事業に少しでもご関心をお持ちいただけましたら幸いです。
JICAジブチ事務所長
井上 琴比
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