東ティモールでのインターンシップ活動

JICA事務所インターン
山田紗季

1．インターンシップへ参加した理由

私は2020年2月から3月の2ヶ月間インターンとしてJICA東ティモール事務所で活動しました。私がインターンシップへ参加し、東ティモール事務所を選択した理由は二つあります。一つ目は、実際に在外事務所で働き自分のキャリアパスについて考えるということです。二つ目は、東南アジアのコミュニケーションと異文化理解について大学で研究しているので実際に東ティモールの人々の生活を自分自身で体験したいということです。

2．活動内容

私の活動内容は（1）事務所美化　（2）広報　（3）総務班の業務補助　です。これらの業務を行う上で私が帰国した後のことを想像しながら業務を行うということを心がけました。

（1）事務所美化では、パンフレット類のリストの作成や在庫管理のためのチェックシートの作成・入口と出口の案内表示の作成を行いました。パンフレットのチェックシート作成後は現地スタッフへ使い方や引き継ぎを行い私の帰国後もスムーズに管理が出来るようにしました。
（2）広報では、海外協力隊員や専門家の活動地やイベントへ取材に行き、それをJICA事務所のFacebookで発信しました。広報担当の現地スタッフとFacebookの広報ターゲットや情報発信の際に心がけていることを話し合い、JICAや海外協力隊の活動をあまり知らない人が読んでも分かりやすく簡潔な記事を書くことを心がけました。
（3）総務班の業務補助では、帰宅時の消灯・施錠確認のポスター作成、視察ミッションのアテンドなどを行いました。そして、東ティモールの伝統工芸品のタイスを使った事務所員の広報活動用ユニフォームを作成しました。

3．活動を通じて学んだこと

私がこのインターンシップに参加して学んだことは三つあります。一つ目は物事の進め方を学んだことです。例えば、事務所の備品を購入するには見積書の取得に始まりいくつかのプロセスの後購入になります。就労経験がなかった私は初め、この仕組みがわからず必要な書類書き方、提出のタイミングが分かりませんでした。活動をしていく中で、現地スタッフからそれらの方法などを教えてもらいました。最終的には、そのプロセスが問題なく行えるようになりました。二つ目は、コミュニケーションの大切さです。インターンである私は周りの協力が必要不可欠です。例えば、書類をプリントするのにも私の個人パソコンはプリンターに繋がっていないので誰かにお願いしないといけませんでした。初めのうちは指導担当者に全てをお願いしていましたが、それではいけないと思い、現地スタッフなどに私がやっていることなどを説明してプリント依頼や書類の確認などをお願いするようになりました。そうすることで仕事が円滑にいくだけでなく、他の会話が生まれコミュニケーションが頻繁に取れるようになりました。三つ目は、様々なキャリアパスがあり一つの物事にしがみつかなくてもいいということです。東ティモールに来てから、色々な人の人生・仕事・今の仕事を選んだ理由などについて話を聞くことができました。その中で多様な選択肢と可能性があることに気づくことができました。

4．現地での生活

私がインターンシップへ参加した理由の二つ目である現地での生活は私にとって発見やドキドキの連続でした。冬の日本から夏の東ティモールへの移動だったこともあり、到着して2週間ほどの週末は外に出るだけで体力が奪われよく昼寝をしていました。ですが、体が慣れてくると一人や現地スタッフと出かけたりしました。現地スタッフとの会話は私の楽しみの一つで、本を読んだだけでは分からない東ティモールの今についてたくさんの話を聞きました。ミクロレットと呼ばれる乗合バスを使い、出来る範囲で現地の人がよく訪れるマーケットや市場に行き現地の人の生活を観察しました。事務所内での会話は英語ですが、一歩外に出ると英語はあまり通じません。だから、外出前に自分が使いそうなテトゥン語をメモし、そのメモを持って買い物に出かけていました。中には私が作ったメモを見て嬉しそうにしてくれたり、英語で話しかけてくれたりする方もいました。

5．まとめ

2ヶ月という期間はとても短く、毎日が学びと気づきの連続でした。大学、そして日本にいたら経験できないことをさせていただきました。新型コロナウイルスの世界的な大流行もあり本来の予定していた期間より1週間短縮しての活動となりましたが、私にできることを一生懸命できたのではないかと思います。所長・指導担当者を始めとするJICA東ティモール事務所の皆様2ヶ月間ありがとうございました。そして、このインターンシップに参加することを応援してくれた両親と大学の先生に改めて感謝します。

次に東ティモールを訪れる時はどんな出会いが待っているのか楽しみにしています。