2025年9月にJICAエクアドル事務所長として着任しました赤嶺剣悟(あかみねけんご)です。
これまで幾度かの出張でエクアドルを訪れる機会があり、首都キトの歴史と文化が息づく美しい街並み、そして郊外に広がる雄大な山々に深い感銘を受けました。その折より、いつかこの地にて国際協力の業務に従事したいとの思いを抱いてきた中で、このたび、協力の現場である在外事務所、とりわけエクアドルに赴任する機会を得たことを大変光栄に感じます。
エクアドルと日本は、海産物、農産物、原油を中心に、長年にわたり安定的な貿易関係を築いてきました。特に、エクアドル産の冷凍マグロやエビは日本の水産市場において重要な位置を占めていますし、バナナやコーヒーも日本の食卓に欠かせないものです。また、中東からの原油に大きく依存する日本にとって、エクアドルは中東以外で最大の原油供給国の一つです。2025年8月にはノボア大統領が訪日され、日・エクアドル両国間の関係は一層の緊密化が期待されます。
こうした両国間の友好関係を一層高めていくために、エクアドル政府の国家開発計画及び日本政府による対エクアドル国別開発協力方針の改定も踏まえ、JICAとして重点的に対応していく開発課題の見直しを図り、より戦略的かつ効果的な協力の実現を目指してまいります。その際、エクアドル国民の生活向上に資することはもとより、日本企業による当地での経済活動の促進、さらには協力の成果を日本社会に何らかの形で還元することも意識した事業の形成・実施に努めてまいります。
なお、近年、エクアドル国内においては治安情勢の悪化が懸念されています。JICA関係者の安全確保は最優先事項であり、現地の情勢を的確に把握しつつ、関係機関との緊密な連携のもと、適切な安全対策を講じながら業務を遂行してまいります。
今後とも、関係機関の皆様、地域の皆様との連携を大切にしながら、共に歩む協力を進めてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
JICAエクアドル事務所
赤嶺 剣悟
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