カイロ大学小児病院

背景と目的

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エジプト政府は1979年の国際児童年以来、小児保健医療水準の向上を重要な政策として取り上げてきました。これを受けて、日本政府はカイロ大学小児病院の建設と病院スタッフの能力向上を継続的に支援してきました。

病院が建設されてからは、現地の人々からは「日本病院」として知られるようになり、30年以上、全国の子供たちに適正な価格で先進医療サービスを届けています。

しかしながら、近年の急激な人口増加により、公的医療機関は、医療機器や設備不足という課題に直面しており、カイロ大学小児病院も同じ課題を抱えています。この課題の解決に向けて、病院のスタッフの能力向上と患者数の増加に対応する病院施設を拡張する必要があり、2015年12月14日、JICAはエジプト政府との間で、カイロ大学小児病院の外来診療施設の建設のため、最大15億6,000万円の無償資金協力を締結しました。

プログラム概要

無償資金協力

第1フェーズ:カイロ大学付属小児病院建設計画(4000万ドル)

カイロ大学小児病院は1982年にエジプトの母子保健医療の改善のため、日本の無償資金協力によって、公立医療・教育病院として設立されました。

第2フェーズ:カイロ大学付属小児病院拡充計画(2900万ドル)

JICAは患者数の増加に対応するため、1986年から1988年に第2回無償資金協力プロジェクトを通じてCUSPH病院の拡張を支援しました。

第3フェーズ:カイロ大学小児病院改修計画(1300万ドル)

エジプト政府は、増加する患者数に対応するため、病院スタッフの能力向上と施設の機能回復を目的とした改修計画を策定しました。JICAは1995年から1996年に第3回無償資金協力プロジェクトを通じ、病院の改修を支援しました。

第4フェーズ:カイロ大学小児病院外来診療施設建設計画

2015年12月14日、JICAはエジプト政府との間で、カイロ大学小児病院の外来診療施設の建設のため、最大15億6,000万円の無償資金協力を締結しました。
この無償資金協力は、カイロ大学小児病院の外来診療施設を建設し、その設備を提供することを目的としています。これにより、外来患者の医療サービスが強化され、病院の教育機能が強化されることで、外来患者の施設内での混雑を緩和し、診療件数を増やします。

技術協力

1983年から2002年まで、JICAは、カイロ大学小児病院に、計208名の日本人専門家(長期専門家42名、短期専門家166名)を派遣し、小児医療、臨床検査、集中治療、および医療機器の操作と保守を中心とした同病院の能力向上を目的とした技術指導と研修を行いました。