零細・小企業向け金融商品の新規参入支援

背景と目的

マイクロ保険は持続的な開発に貢献し、貧困層の生活の質を保障するための新たな金融商品としてエジプトで注目を浴びています。金融へのアクセスが課題となるエジプトにおいて、貧困層や零細小企業がアクセス可能な生活保障のツールが必要とされています。JICAは2015年以来、エジプト金融監督庁(Financial Services Authority:FRA)との協力を通じ、民間セクターの発展を通じたエジプトの貧困削減及び金融包摂強化に貢献すべく、マイクロ保険という新しい金融商品の制度整備、人材の育成を支援しています。2015年にマイクロ保険の先駆と言われるフィリピンで研修を実施して以来、2016年にエジプトでのマイクロ保険の制度整備支援を開始、2017年にはマイクロ保険の開発に携わる官民人材の育成開始と、着実にキャパシティビルディングに取り組んでいます。JICAの支援によって立ち上げられたマイクロ保険の研修は今後もエジプト人講師によって継続される予定であり、エジプトにおけるマイクロ保険の発展、貧困削減への貢献が期待されています。

事業概要

技術協力

第一フェーズ(2015年3月~2017年3月):制度整備支援

  • フィリピンでの研修の実施
  • マイクロ保険の国家ロードマップの策定支援
  • エジプト保険協会におけるマイクロ保険プラットフォームの設立支援
  • この結果、FRAは2016年11月にマイクロ保険をエジプト国内で初めて正式に規定する布告を発出

第二フェーズ(2017年4月~2018年3月):研修機関機能強化を通じた人材育成

  • 研修ニーズアセスメントの実施
  • FRA傘下の研修機関である金融サービス研修所(Financial Services Institute:FSI)への支援を通じ、マイクロ保険関係者幹部及び保険仲介者向けの研修の実施
  • 保険協会傘下の研修機関であるエジプト保険研修所(Insurance Institute of Egypt:IIE)への支援を通じ、世界初の試みとなるマイクロ保険の開発・普及に携わる人材育成のためのマイクロ保険特設コースの立上げ
  • ドイツ国際協力公社(GIZ)エジプト事務所、SANAD基金とともに「マイクロ保険:新興国における事例とエジプトでの普及」に関するセミナーの実施
  • エジプトのマイクロ保険の簡易ニーズ調査の実施