小学校の算数・数学の教科書開発者のための技術ワークショップが実施されました

2021年5月13日

エチオピア連邦教育省(MoE)は、2019年より教育改革を実施しています。同教育改革の主な実施部局であるカリキュラム開発局(CDID)は、これまで、大学などの教育機関、各州教育局や外部コンサルタントなどの関係者間の一連の活動と協議を通じ、新しいカリキュラムの枠組み、および各教科のシラバスを開発しました。これに続き、同CDIDは、MoEとJICAの共同事業である「科学技術のための算数・数学理解プロジェクト(通称MUSTプロジェクト)」の下で、4月26日から28日までの3日間、初等算数・数学の教科書開発者向けの技術ワークショップを実施しました。このワークショップは、エチオピアの各州と特別行政区すべての教育局のカリキュラム専門家を対象とし、エチオピアの首都アディス・アベバ市にある教育省、オロミア州の州都アダマ市のワークショップ会場、そして日本をオンラインでつないで実施しました。

ワークショップの冒頭で、CDIDのZafu Abraha局長は、教育改革の全体の枠組みと新しいカリキュラムの枠組みについて発表しました。続いて、CDIDの数学カリキュラム担当のMatebie Alemayehu氏が、教科書と指導書の開発のサイクルと手順について説明しました。その後、MUSTプロジェクトがセッションを引き継ぎ、まず、参加者はエチオピアと他国の授業の様子や教科書を比較し、エチオピアの算数・数学教育の現状分析を行いました。次に、中南米の国々でJICA技術協力として実施された教科書開発の経験やMUSTプロジェクトの学習教材開発の経験を具体的な例を示しながら共有しました。更に、参加者は、生徒の学習の実態などの現状分析を基に、教科書と教師用ガイドの編集方針、および、単元計画と教科書ページサンプルを州ごとに作成し、州間で意見交換を行いました。これらの活動を通じて、参加者は教科書や指導書の開発の全工程についての理解を深めるとともに、教科書開発の際に質の担保の鍵となる編集方針の策定の方法について学ぶことができました。

参加者は、これから各州に戻り、今回のワークショップの経験を活かしながら、自州での教科書・指導書開発を開始します。

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エチオピアのアディスアベバ市、アダマ市と日本のを結んだオンラインワークショップ

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エチオピアの算数・数学教育の状況分析のプレゼンテーション

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状況分析を基に教科書の編集方針を策定する説明に耳を傾ける参加者