エチオピアの5つの国立大学の専門家が高校数学の教科書開発についての研修を受けました。

2021年8月4日

高校数学の教科書開発のための技術ワークショップが2021年7月12日、エチオピアのデブラゼイト市とアディスアベバ市、そして、日本を結び、MUSTプロジェクト(注)により実施されました。対象者は、数学教科書の執筆者、編集者、イラストレーター、デザイナーの計約20名です。同ワークショップは、教育省(MoE)と国立アワサ大学が共催した9年生から12年生までの教科書開発に関する3日間のワークショップの一部であり、エチオピアの5つの国立大学から合計300人以上の専門家がデブラゼイト市に集まりました。

ワークショップのセッションでは、生徒の成績、授業の実施、教科書/教師用ガイドの3つの観点からエチオピアの数学教育の現状を比較・分析し、どのような教科書を開発する必要があるのかを考えてもらいました。また、他国におけるJICAの教科書開発の経験を共有し、生徒の学習を促進するためにユーザーフレンドリーな教科書を開発する方法を提案しました。プロジェクト側からは、教科書の内容を不必要に難しく複雑にすべきではないこと、また、レッスンの流れを考慮してページを構成する必要があることが強調されました。最後に参加者は、共有されたアイデアと提案に基づいて、教科書の編集戦略と手順について話し合いました。

ワークショップ後、数学の教科書開発者は、MoE教科書開発ガイドラインと議論された編集戦略に従ってすぐに原稿の執筆を始めなければなりません。執筆に割り当てられた時間は、エチオピアの新学期が始まる9月中旬まで、わずか2か月です。この間、MUSTプロジェクトは執筆活動の技術的サポートをすることにコミットしています。

(注)MUSTプロジェクトは、エチオピア連邦教育省(MoE)とJICAの共同事業で、正式名は「科学技術のための算数・数学理解プロジェクト」。

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エチオピアと日本の教科書を比較しているところ

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新シラバスから単元指導計画を作成する手順の説明