ミクロネシア連邦は、大洋州ミクロネシア地域の約300万km2の広大な海域に浮かぶ607の島々と環礁から構成される島嶼国です。太平洋島嶼国に共通する①国土が狭く人口が少ない(狭小性)、②広い海洋に国土が分散している(隔絶性)、③主要な国際市場や拠点から離れている(遠隔性)、④海に囲まれ自然災害の影響を受けやすい(海洋性)という特性があり、これに関連した課題がたくさんあります。
ミクロネシア地域には、第一次大戦後から第二次世界大戦終結まで、日本が委任統治していた時期がありました。戦争終結後、ミクロネシア地域は、米国を施政権者とする国連信託統治地域になりましたが、1986年から米国と自由連合関係に移行し、独立国家ミクロネシア連邦となり、現在に至っています。日本とは、このように歴史的に特別な関係にあり、日系人も少なからずいること、親日的であること、広大な排他的経済水域での豊富な水産資源を有し漁業協定が締結されており、マグロやカツオなどの多くの日本の漁船がこの水域で操業していることなどから、日本にとって重要なパートナーとなっています。
ミクロネシア連邦は、独立国家ではあるものの、国の防衛主権を米国に委ねその見返りとして財政の4割以上が米国からの援助で賄われている自由連合盟約(コンパクト)を結んでいます。このコンパクトにより、ミクロネシア連邦国民は米国での就学・就業が容易にできることから、米国への人口移動が進んでおり、2023年の人口は7万5千人と2010年に比べて約26%も減少しています。コンパクトは2043年まで継続されることとなっていますが、いかに経済を活性化し、援助に依存した財政の脆弱性を克服していくかが課題となっています。
JICAは、独立前の1979年にミクロネシア連邦に対する支援を開始しました。近年は、ミクロネシア連邦が抱える困難な状況を改善するために、(1)脆弱性の克服および(2)環境・気候変動対策の2つを重点分野として協力しています。(1)脆弱性の克服では、無償資金協力による連結性強化のための港湾、空港、貨客船、道路等の整備や、専門家やボランティアの派遣による保健・教育等分野における人材育成を中心としています。(2)環境・気候変動対策では、廃棄物管理の改善や再生可能エネルギーの導入促進などを実施しています。今後も他の開発パートナーと連携・協調しつつ、協力の開発効果を最大限に高め、日本と特別な関係にあるミクロネシア連邦の課題克服に貢献していく所存です。
ミクロネシア支所
支所長 渡邉 健