リベリアについて

リベリアは、被兼轄国としてガーナ事務所により所管されています。

フィールドオフィスについて

所在地
住所:JICA Liberia Field Office
4th Floor, UNHCR/Haider Building, Mamba Point, Monrovia
電話:+231-(0)886-524-530

1.開発の概況

【写真】

砲弾跡の残る民家

リベリアでは1989年から14年間、2003年8月に国際社会の介入を経て、政府側と反政府勢力の間で包括和平合意が締結されるまで、内戦が続きました。同年の暫定移行政府発足、2004年11月の反政府勢力の武装解除完了を経て、2006年1月にエレン・ジョンソン=サーリーフ大統領がアフリカ初の民選女性大統領として就任しました。就任後、暫定貧困削減戦略(2006-2008年)及び貧困削減戦略(2008-2011)を策定し、強い指導力のもと、和平プロセスの推進、法整備、治安強化、貧困削減、行政サービスの改善などが行われました。同大統領は2011年にノーベル平和賞を受賞し、その後2012年1月に再選を果たしました。同年12月には、2030年までの長期開発計画「Liberia Rising 2030」及び中期開発計画として「Agenda for Transformation」が策定され、多くの国からの支援を受けて、現在実施されています。鉄鉱石やパームオイル、ゴム産業などの第一次産品輸出の伸びによる経済成長も続いており、現在、リベリアは内戦からの復興を経て、開発を目指しています。

2.援助動向

リベリアは米国の奴隷解放の移住地として建国、発展してきたため、歴史的に米国との関係が深い国です。2003年の内戦後はEUが支援額累積では最大支援ドナーですが、米国、ドイツ、フランス、スウェーデンなど積極的に支援を行っている他、国内外の多くのNGOが活動しています。また、サーリーフ大統領の強い指導力のもと、人口約400万人の小国ながらも、国際社会から非常に高い注目を浴びています。

日本は、1990年5月の二国間経済協力の中断以降、これまでリベリアの不安定な情勢に鑑み、他の国同様、緊急人道的な支援を国際機関もしくはNGOを経由した協力に限定していました。しかし、2003年和平合意成立以降、国内治安情勢が安定し、2006年にサーリーフ大統領就任後、「緊急人道支援」から「復興・開発」期への移行に伴い、2007年に二国間経済協力を再開し、支援を行っています。

3.援助重点分野・開発課題

(1)基本方針

【写真】

モンロビア繁華街の様子

内戦終結から約10年が経過し、国民生活は落ち着きを取り戻しつつありますが、内戦で断絶された社会的連帯はいまだ回復に至っておらず、若者の失業問題、コートジボワール難民やリベリア帰還民の流入等の深刻な社会問題も生じています。人間開発指数(2012年)は187か国中174位、ミレニアム開発目標の多くも達成困難と見られており、これらの要因がリベリアの開発を妨げ、国民が真の意味で平和の配当を実感できないような事態を引き起こしかねません。このような揺り戻しを防ぐため、内戦で破壊されたインフラを復旧し、行政サービスや人材を取り戻すとともに、食糧自給に向けて農業を再生させ、リベリアの平和を定着させ、和平プロセスが後退しないようにすることが急務です。

我が国は国際社会の一員として、内戦からの復興を経て開発を目指すリベリアが、平和を維持し、人間の安全保障を確保しながら安定した発展を遂げるよう、リベリアの経済と社会の基盤形成を支援し、リベリアだけではなく、近隣国を含む西アフリカ地域の平和と安定に貢献するような支援を行います。

(2)援助重点分野・課題開発

リベリアの中期開発計画である「Agenda for Transformation」にて掲げる5つの柱、1)平和、セキュリティ、法の原則、2)経済改革、3)人間開発、4)ガバナンスと公共機関、5)クロスカッティングイシュー、に沿った協力を実施するとともに、我が国の過去の協力案件及び比較優位や、他ドナーによる支援活動との棲み分けを考慮した結果、我が国はリベリアの開発を後押しするため、「インフラ整備支援」及び「基礎生活の充足と人づくり支援」を重点分野として支援をしていく方針です。

協力にあたっては、持続性の確保や住民への裨益効果が最大限得られるよう、きめ細やかなフォローアップができるように留意するとともに、国際機関を通じた支援も積極的に活用する等、援助の効率的及び効果的な実施に努めています。

1)「インフラ整備支援」

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母子病院の外観

【写真】

専門家による職員対象ワークショップ(5S)

1989年から2003年までの14年にわたる内戦は、リベリア全土の主要幹線道路、発電配電施設、水供給施設等を著しく損壊し、内戦の影響で低下した政府のインフラ維持管理能力のため、残ったインフラ基盤も著しく老朽化しました。内戦後、帰還難民及び国内避難民がモンロビア首都圏に流入、定住した結果、リベリア総人口約400万人のうち、現在120万人もの人が首都圏に集中しています。この人口増加により急速に悪化した生活環境を改善し、経済活動の活性化を目指すためにも、基礎インフラ整備に対する必要性が指摘されています。

このような状況を踏まえ、我が国は「モンロビア市緊急電力復旧計画」及び「「ソマリアドライブ復旧計画」を実施しており、市民生活の安定と更なる向上及び経済活動活性化に貢献しています。

2)「基礎生活の充足と人づくり支援」

【写真】

内戦により破壊された発電所

14年間の内戦により、保健及び教育システム、農業活動は著しく疲弊しました。また、内戦の結果、人口バランスも影響を受け、現在全人口のうち、25歳以下の人口が65%、また労働人口の半分以上が21歳以下です。しかし、これら多くの若者は、内戦中の混乱で十分な教育や職業訓練を受けておらず、多くが正式な雇用を得られず、これら若者の経済活動への取り組みが、社会経済安定への急務となっています。また、保健・衛生指標は極めて悪く、特に妊産婦死亡率は世界最低レベルであり、農業に適した国土を持ちながら、生産性が著しく低く、食料の半分以上を輸入に頼っている状態です。

このような状況を踏まえ、我が国は、食料安全保障や教育・保健指標等の改善に向けた支援を行うとともに、政府人材を含む人々の能力強化や雇用創出をめざし、職業訓練を支援しています。