理数科・ICT・学校保健合同ワークショップ(WS)-弥生編-

2019年4月3日

【画像】

ワークショップ集合写真

(ボランティア氏名/隊次/職種/任地/出身県)
遠山 宏樹/2017年度1次隊/青少年活動/アッパーウエスト州ワ/長野県
鴇田 奈津美/2017年度1次隊/小学校教育/イースタン州アッパーマニャクロボ/宮城県
草間 桜子/2017年度1次隊/小学校教育/ノーザン州サベルグナントン/茨城県
上野 真理恵/2017年度1次隊/学校保健/グレーターアクラ州アダフォア/福島県県

2018年12月、教科・分野の垣根を超えた教育系ワークショップが、ガーナの首都・アクラの学校で行われました。(前回のワークショップ詳細は「師走編」参照)開催した学校は、隊員の活動現場ではなく、かつ、初めての試みであったため、様々な不安がありました。しかし、閉会後、学校長や参加教員の反応から、一定の成果を挙げられたことが確信できたことから、継続的にワークショップを実施しようと決意しました。

「やってみなければ分からない。」前回の教訓をもとに、2019年2月、私たち4名の任地を含めた地域で計4回のワークショップを実施しました。

ワークショップを開催するうえでポイントの一つとして挙げられるのは「持続性」です。現地教員や私たちの配属先であるガーナ教育サービス(日本でいう教育委員会、以下GES)の職員たちにとって効果があり、ワークショップ後も活用される、かつ、活用されやすい内容や教材が何であるのかを考え、計画していきました。また、同時に今回の取り組みを発案し、主催してきた4名のうち3名は、任期終了を間際に控えた隊員でした。そこで、一定の成果を挙げ始めたこの取り組みを、いかにガーナ隊員の中で継承・向上させていくかも私たちにとっては課題でした。

2019年2月には、それぞれの隊員が持つアイデアを現地の教員に共有するワークショップをほぼ毎週実施しました。植物が種蒔き後に水をやらないと芽が出ないのと同様、隊員のアイデアも教員に共有しただけでは継続的に活用されるものになるのかどうかは分かりません。そこで、蒔いた種から「芽」が出るよう、「隊員から教員へ新たなアイデアを共有する1日目」、「教員がそのアイデアを生徒たちに対して実践する2日目」と、2日間かけてワークショップを開催し、教員が学ぶだけではなく、実践する機会も作りました。

1日目の隊員の授業に感化され、2日目の実践の際に、隊員の教材だけでなく、教員が独自で作成した教材を持参した参加者がいたり、隊員の教材をより生徒に伝わりやすいようにアレンジし、工夫した授業があったりと、国内複数の地域で確実に小さな「芽」が出てきたことを実感しました。

結果としてこのワークショップは、2018年12月と2019年2月を合わせると、国内5地域で計8回実施され、GES関係者や教員、教員養成校の学生や生徒合計1745名もの人々を巻き込んだものとなりました。さらに一回のワークショップで終わるのではなく、継続的に実施し、より多くのアイデアの種を他の地域でも蒔きたいという思いから、今年5~6月頃に、再度ワークショップを開催することが隊員の中で検討され始めています。

それぞれの隊員が任地で日々実践していることや、それぞれの隊員が持っている強みを凝縮させ、教育系の隊員だけではなく、他の分野で活躍している隊員も協力しました。その結果、39名の隊員がこの一連の取り組みに参加しました。

「一人じゃできないことを、みんなで。」私たちはただのボランティアではなく、青年海外協力“隊”として共に活動できる仲間が周りにいます。そんな仲間たちと、ガーナの未来のために、より良い取り組みになることを目指し、これからも新たなアイデアの「種」を蒔き続けていこうと思います。

【画像】

1日目:隊員から教員に向けての授業

【画像】

2日目:授業前に打ち合わせをする教員

【画像】

2日目:隊員の授業を基にした実践授業の風景

【画像】

助産師隊員による命の授業