先住民の生活の質の向上にむけた活動(金森隊員)

2019年12月22日

コーヒーの産地として有名な中米グアテマラ。同国の北西部のキチェ県ウスパンタン市にて、先住民の生活の質の向上を目的にJICA海外協力隊(家政・生活改善隊員)として活動した東京都府中市出身の金森知美さんが、2年間の任期を終えて日本に帰国しました。

任地であるウスパンタン市は、首都のグアテマラシティから車で7時間半離れた場所に位置しています。人口の約85%を占める先住民の多くは貧困層に属しており、子どもの慢性栄養不良などが深刻な問題です。実際に村へ足を運ぶと、年齢に見合わない低身長の子どもたちを多く見かけます。

こうした状況を改善すべく、大学で栄養士課程に所属し卒業と同時に管理栄養士の免許を取得した金森さんは、バランスの良い食事の啓発や衛生意識の向上に取り組みました。グアテマラシティの公用語はスペイン語であるものの、住民の多くは現地語であるキチェ語やウスパンタン語を話します。そのような住民とのコミュニケーションは簡単ではありませんが、イラストや写真を活用した教材を作成し、視覚的に理解しやすい工夫をしたほか、同僚に現地語への通訳をお願いするなどして互いの信頼関係を築いてきました。また、同県で実施されている母子保健に関するJICAの技術協力プロジェクトと協力し、帰国研修員とともに離乳食教室を開催するなど、活動の幅を広げました。

中心となる活動以外にも、同任地の隊員とともに日本の文化を紹介するイベントを企画し、地域住民との交流を図りました。住民からは「遠く離れた日本のことを知る機会ができて嬉しい」との声が多く聞かれました。帰国後金森さんは、協力隊活動を通して得た経験を生かしたいと国際協力関係の仕事に就くことを考えています。

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女性への三色食品群に関する講話

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離乳食のデモストレーション