一村一品(OVOP)運動広域アドバイザー(2018年~2020年)

グアテマラは2011年から2017年にかけて、年間平均3.59%の高いGDP成長率を記録しているのですが、地域間格差が激しく、主に先住民族の多い西部高原地域では、根深い貧困が存在しています。グアテマラ政府は地方経済の活性化を主要課題の一つとしていることから、JICAは2010年~2013年に「地場産業振興プロジェクト(PROFIL)」を通じて、OVOPや道の駅といった日本生まれの地域振興運動の紹介を通じて地場産業振興に努めてきました。このプロジェクト期間中に、46人ものグアテマラ人が日本での研修を受け、国内でのOVOPや道の駅を推進し、地方経済の発展に尽力してくれています。

2018年には、OVOP運動広域アドバイザーが着任しました。「広域」というのは、グアテマラだけでなく、お隣のエルサバドルとホンジュラスのOVOP活動も支援するからです。なぜ、3ヵ国も同時に?と思われるかもしれませんが、それが「かなり効果的!」だからです。各国のOVOP生産者が、隣国のOVOP活動を視察し、意見交換会等を行います。3ヵ国は同じ言語圏・文化圏でありながらも、実は各地独特の産品や慣習、食文化しかり、です。一村一品運動は、ご存知の通り、「地域おこし」です。地域住民や生産者が、今まで何気なく接してきた文化、慣習、食事等が、実は外から見れば、大変興味深いものであり、それを発信していこうという取り組みです。地域住民は、そのような地域の特殊性を一生懸命探り出し、付加価値を付けて売り出そうとするのですが、地域住民だけでは視点は限定的になってしまいます。そこに、他国で同じような取り組みをしている生産者からの意見というのが非常に有効になってきます。今まで気付かなかったことを気付かせてくれます。お互いが啓発しあい、発展していく仕組みが出来上がってきています。一村一品運動は、行政からの支援も重要なファクターではありますが、それ以上に「地域住民の、住民による、住民のための取り組み」が最も重要な要素であり、それを国を跨いで行っているのが、現在実施中の「OVOP広域協力」です。

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トルティージャ(伝統料理)作りを体験するOVOP専門家

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グアテマラの伝統織物作りを体験するホンジュラスOVOP関係者

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グアテマラ版「道の駅」を視察するエルサルバドルとホンジュラスOVOP関係者

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グアテマラ経済省次官と意見交換するエルサルバドル、ホンジュラスOVOP関係者